東京随一の「名物商店街」を襲う変化の荒波

タワマン街化を選んだ武蔵小山の未来

全長800メートル、約250店が並ぶ武蔵小山商店街(筆者撮影)

全長800メートルで長さが東京一の商店街。昭和元年創業の焼き鳥店や巨大パフェを出す喫茶店など約250店が軒を連ねる武蔵小山の商店街を、テレビで見たことがあるという人は少なくないだろう。

東急目黒線で目黒駅から2駅、3分。武蔵小山は交通の要衝でもなければ、観光名所となる寺社、公園があるわけでもない、ごく普通の住宅街だが、この「武蔵小山商店街パルム」のおかげで一躍有名になったわけである。

が、その「商店街タウン」に異変が起きている。

その前に、武蔵小山商店街の歴史を振り返っておこう。1947年に設立された商店街は1956年にアーケード、1962年にはほかの商店街に先んじて駐車場を設置するなど、訪れやすさを考慮して整備されてきた。2006年には「がんばる商店街77選」にも選出。全国にシャッター通り商店街が増える中、観光客を呼べるにぎやかな商店街として知られてきた。

商店街の売り上げは12年で2割弱減少

だが、東京都の商業統計調査で見ると、2002年から2014年の12年間でこの地域の商店街の売り上げはなんと2割弱減っているのである。駅の乗降客数は増えており、商店街にはたくさんの人も歩いている。つまり、通る人が買い物をしなくなっているのだ。

理由は極めて単純。商店街を歩いてみるとわかるが、並ぶ店の6~7割がチェーン店なのである。地元資本の個人店は洋品店、かばん店など見た目では数えるほどになっており、飲食店にも同様のことがいえる。わざわざ、ここへ来て買うほどのモノは減っている。また、スーパーはあるものの、生鮮食料品店は極端に少なく、250店中、青果店、豆腐店、精肉店が計5軒。日常の買い物には微妙に足りない店舗構成なのである。

偏在の要因も明確で、人気が出て賃料が上がったことから、自分でモノを売るより、店舗を貸したほうが得になると判断した商店主が増えたのだ。実際、商店街沿いの賃料はここ十数年でじりじり上昇、坪単価で3万~5万円もあるというほどになっている。

次ページ武蔵小山で進む驚きの計画
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 賃金・生涯給料ランキング
  • 最新の週刊東洋経済
  • 映画界のキーパーソンに直撃
トレンドライブラリーAD
人気の動画
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT