東京随一の「名物商店街」を襲う変化の荒波 タワマン街化を選んだ武蔵小山の未来

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加えて、商店街沿いの店舗は、間口は狭いものの、奥行きがあり、意外に広い。席数が1、2階合わせて100近い喫茶店の場合、20~30坪はあると想定され、となると、月額賃料は安くても60万円に上る。個人の出店ができるような賃料ではなくなり、チェーン店しか出店できなくなってしまったのだ。

さらにここに来て、商店街そのものを消滅させるような再開発計画が進行している。現在駅前には3区画にそれぞれ140m前後のタワーマンション3棟が建設される予定となっており、そのうち、右図の②の部分では、三井不動産による41階建てのタワマンの工事がすでに行われている。住友不動産が同じく41階建てのタワマンを建設する①でも立ち退きが進み、③は再開発準備組合が結成され、検討が行われている。

それだけではない。③の下に、補26と書かれた通りがあるが、こことパルム商店街を挟む2ブロックの一部でもまちづくり推進協議会が結成されており、計画が実現すれば、高さ100m超のタワーがあと2本誕生することになる。駅前の500m四方に5棟。いや、すでに1棟あるので、計6棟。新たなタワマン街の誕生である。そうなれば、商店街は消滅せざるを得なくなるかもしれない。

地元商店が残れる余地は限られている

現在進んでいる計画の②③の部分がすでに商店街を潰す計画になっていることは、図からも明らかだが、残りの2区画の再開発が行われれば、商店街の半分以上が影響を受けることになる。現在計画中のタワーの1階や低層階には店舗が入るほか、商業施設を造る計画も浮上している。計画図面には、「商店街との連続性を確保した街並み」などという言葉もある。だが、再開発物件に出店できるのはチェーン店のような、資金力のある企業だけだ。

その、いい例がある。2019年7月4日にオープンする府中駅前の再開発で生まれる複合商業施設ル・シーニュだ。40年以上続けられてきた駅再開発の掉尾を飾る、駅直結の施設で、従前は飲食店などが密集する猥雑(わいざつ)な路地を含むエリアだった。

地権者が多く、利害関係が複雑で長らく進んでこなかった開発を進めるためか、開発当初は「地元の店を残す再開発」という言い方もあった。だが、最終的にオープンが見えてきた今、もともとあった店のうちで再開発ビル内に出店を予定しているのはチェーンの飲食店が大半だ。

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