儲かる投資信託が埋もれてしまう日本のナゾ 人気ランキングは必ずしもあてにならない
日本に「投資信託分析のプロ」はほとんどいない
日本の金融業界は、歴史的な経緯から証券会社や銀行などの販売会社の力が強い傾向にあります。そのため、特定の販売会社のためにつくられた金融商品も多く、投資信託も、実はその例外ではありません。証券会社や銀行は、自分たちが売りたいファンド(商品)を売っていれば、十分にビジネスが成り立っていました。投資家側も、日頃から付き合いのある金融機関が販売するファンドであれば間違いないと、薦められるがままに投資信託を購入していたというのが実態です。
日本では、販売会社主導の閉ざされた業界慣習が、投資信託の専門家の育成を阻んできたといっても過言ではありません。現在、6000本超まで膨れ上がった日本の投資信託を日頃から分析し、自信を持って「本当に優れたファンド」を提案できる専門家はほぼ存在せず、結果的に知識の浅さゆえ、横並びにならざるをえない(自称)専門家の「オススメ投資信託」が乱立する事態となってしまったのです。
世間には、投資信託に関して多くの誤解があるように思います。その典型例が「人気ランキング」や「値上がり率ランキング」などを見て安易に投資信託の良しあしを判断してしまう「ランキング信仰」です。「売れている投資信託」が「優れている投資信託」であるとは限りません。現に、「投資信託の人気ランキング(売り上げランキング)」には、「毎月分配型」のように問題のある商品が含まれていることが多いのです。
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