「社内営業しない人」が陥る意外な落とし穴 他部門の人は赤の他人も同然?

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このように社内に「知らない同僚」が多いと仕事を円滑に進めにくい、有益な情報を得る機会が少ないなど、マイナス面はいくつも出てきます。意識して「社内営業」をし、知らない同僚から知っている同僚へ、さらには仲間へと関係をすすめていきたいものです。では、そうするためには、いったいどうしたらいいのでしょうか?

前回の記事(「社内は敵だらけ」と自覚しない人は損をする)では会社組織が縦割りになりがちで、別の部や課だと利害関係が対立する他社のようなものと紹介しました。縦割り表現すると大企業に限定した話のように聞こえるかもしれませんが、それは違います。

・フロアが別

・机の島が別

と規模にかかわらず、組織の壁によって「知らない同僚」になることは多々あります。

同僚からの対応に大きな差

たとえば、取材した従業員30人の食品加工会社に勤務しているDさん。職場はDさんらがいる営業部門と、管理部門などで2つのフロアに分かれており、違う階にいる同僚と接する機会はほとんどありませんでした。

ある日、支払いが滞った取引先に対する説明を求められて経理部のあるフロアに行ったDさんは驚きました。誰も顔をあげてくれないのです。

気を取り直して、問い合わせに対応するため「経理部のTさんはどちらですか?」と尋ねて席を探し出して、声をかけました。すると、

「どうして入金がないのですか。理由を説明してください。それに、支払いが滞る可能性があるのなら、前もって連絡するのが常識ではないでしょうか?」

とかなりキツく注意を受けることになりました。初対面の人にそう言われ、思わず感情的になりかけましたが、そこは抑えて「すみませんでした。以後気をつけます」と謝り、支払い予定を数日以内に確認する旨を伝えて、何とか了解を得ることができました。同じ会社の同僚なのに、なんて冷たいんだ! と嘆きたくなる気持ちを抑えて、自分のフロアに戻ろうとしたとき、

「ごめんね。担当の会社の支払いが1カ月延びてしまうことになってしまった」

とDさんと同じ営業部のGさんが申し訳なさそうな顔で経理を訪ねてきました。すると、先ほどまで渋い顔をしていたTさんの顔が急に柔和になって、

「わざわざ訪ねてきてくれなくても、メールくれればいいですよ」

と、笑顔で丁寧に回答。さらに、経理から送ったメールで見逃している内容がないのか、Gさんに確認してあげるくらい親切に対応しています。思わず「何で、ここまで違うの?」と聞きたくなるくらいの差を見せつけられることになりました。

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