「アマゾンの奴隷」になっていると気づいた日 テクノロジー企業なしではもう生きられない
この前、新しいテレビを買った。アマゾンで。
買っただけじゃない。どれを買うか、どんなアクセサリーが必要か、どこにどうやって設置するか、設置作業を誰にやってもらうか、そしてその手配も、全部アマゾン・ドット・コムでやった。
考えてみると、ほかの多くの日用品もそうだ。調べてみると、2016年のわが家(夫婦と子ども2人)のショッピングの10%近くが、アマゾン経由だった。
アマゾンで手に入るのは、モノだけでない。音声アシスタント端末「アマゾンエコー」、一般のテレビで動画やゲームを楽しめる端末「ファイアTV」、電子書籍、映画、ドラマなどなど、わが家ではショッピングサイト以上の存在だ。6歳と4歳の子どもたちには、教育の手伝いもしてくれる。
ちょっと、アマゾンに入れ込みすぎじゃないの? そう言って笑う人もいるだろう。でも、きっとあなたにも、僕にとってのアマゾンのように、生活のあらゆる場面でそのサービスを利用しているテクノロジー企業があるのではないか。快適すぎて、もはや、ない生活は考えられないサービスが。
いちばんどうでもいいのはフェイスブック
僕らはみな、一握りのアメリカのテクノロジー企業の奴隷だ。もっと言うと、それはアマゾン、アップル、フェイスブック、マイクロソフト、そしてグーグル(アルファベット)の5社。この5社は、いまや世界経済の多くの部分を支配している。そしてその勢いは止まりそうにない。
インターネット時代の資本主義で、このことは最も顕著なのに、最も見逃されている事実だ。実際、この5社の企業価値は全部で数兆ドルになる。つい最近、アップルは上場企業として史上初めて、時価総額が8000億ドルに達した。ほかの4社もさほど大きく違わない。
世界経済というと壮大な話に聞こえるが、5社のパワーをもっと身近な形で考える方法がある。想像してほしい。あなたの国にはテクノロジー恐怖症の王様がいて、5社のサービスを1つずつ捨てろと命じたとする。あなたはどの順番に手放すだろう。