ヤマトの値上げでアマゾンは運送会社化する アマゾンとヤマトがライバル関係に?

拡大
縮小
アマゾンが反撃を開始する?(撮影:大澤 誠)
ヤマトの値上げを飲むか否か。大口取引先アマゾンは、単なる小売りでなく運送会社としてライバルになるかもしれない。

 

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら

人手不足への対応からヤマトや佐川など運送各社が値上げに踏み切る中、アマゾンが反撃を開始している。自社リソースを使った有料即時配達サービスを強化するとともに、生鮮食料品の配送サービスもスタートさせた。運送会社の値上げは、ネット通販のサービスの大きな転換点となる可能性が出てきた。

アマゾンが値上げを受け入れればヤマトは大幅増益だが

ヤマト運輸は4月28日、宅配便の基本運賃を改定すると発表した。値上げ幅は5~20%程度で、例えば関東から関西に60サイズ(外形寸法の合計が60センチ以内)の荷物を送る場合、従来は800円の料金がかかっていたが、新料金体系では940円となる。消費者を対象とした値上げは27年ぶりのことである。

一方、アマゾンなどネット通販各社とは大口契約となっており、1個あたりどの程度の金額で配送を行っているのについては明らかにしていない。しかし各種資料などから筆者が推定したところでは、ヤマトはアマゾンから1個あたり400円以下というかなり安い金額で配送を請け負っていた可能性が高い。

次ページヤマトの取扱量を減らす可能性も?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT