アマゾンに値上げ迫るヤマトが抱く「不安」 大口客失えば痛手、強気の姿勢を貫けるのか
インターネット通販(EC)の膨張に翻弄されるヤマト運輸。大幅減益となった2016年度に続き、17年度も厳しい経営が続く。宅配ドライバーへの未払い残業代を計上した反省から、労働管理システムの導入などを行い、90億円のコスト増を見込むためだ。
苦境に陥るヤマトだが、業界2位の佐川急便(SGホールディングス傘下)にはそこまでの切迫感はない。2016年度の営業利益はわずかながら増益になった(SGのデリバリー事業)。
ヤマトと佐川、利益で明暗くっきり
宅配便の単価を見れば、両社の違いが鮮明だ。ヤマトは2014年度こそいったん上昇したものの、2016年度は過去最低水準に落ち込んだ。単価の安い大口取引先の割合が増えたことが主因だ。一方の佐川は2012年度を底に改善し続けている。
明暗を分けたのが、アマゾンとの取引だ。佐川はアマゾンの配達を引き受け、宅配シェアで首位のヤマトに肉薄。
だがアマゾンの物量増大に伴い、外部の運送業者への委託費用が利益を圧迫した。一般的に外部委託料は荷物1個ごとに支払う。運賃の割引が大きいアマゾンの場合、荷物が増えるほど採算は悪化していく。
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