巨人グーグルが生み出した「最強AI」の全貌 日本にも上陸、グーグル版Siriの実力とは?
「グーグルはAI(人工知能)ファーストの会社になる」。スンダー・ピチャイCEOが宣言してから1年。発言の真意が少しずつ見えてきた。
「大阪を訪れたとき、いいにおいのする屋台に行列ができていた。だが、看板に書かれた日本語がわからなかった」。5月17日、米グーグルが年に1度開催する開発者会議「I/O(アイ・オー)」。エンジニアリング担当バイスプレジデントのスコット・ハフマン氏は基調講演で唐突にそう語りだした。
グーグルが賭ける「AIアシスタント」
ハフマン氏は日本語の看板をスマートフォンのカメラで写した。そこには日本語で「たこ焼き」の文字。すぐ下には値段が書かれている。次の瞬間、これらが英語に翻訳され、「これはどんな見た目なの?」と話しかけると、たこ焼きの写真がずらりと表示された。
「グーグルアシスタント」は昨年のI/Oで発表されて以降、グーグルが戦略の核に据える対話型AIだ。
誰かと会話をするように、知りたいことを調べたり、音楽や動画を再生したり、家電を制御したりできる。今後はモバイル決済機能が付加され、買い物も可能になるという。日本語版のアシスタントもまもなく提供が始まる。
これまでアシスタントとのやり取りは音声や文字入力で行われたが、今回ここに「目」が加わった。「グーグルレンズ」と呼ぶ新技術はカメラを使い、先述の翻訳だけでなく、レストランを認識してレビューを表示したり、写した植物の名前を教えてくれたりする。
アシスタントが使用できるのは昨年発売したスピーカー「グーグルホーム」や一部のアンドロイドスマホに限られていた。
今回、iPhoneへの提供開始が発表され、今後はテレビやカーナビ、スマートウォッチなどのアンドロイド搭載機器にも広がる。家のあらゆる機器がつながりアシスタントが搭載されれば、「すべて音声で操作できるようになる」(アシスタント担当ディレクターのグミ・ハフステインソン氏)。
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