トランプ大統領に「一発逆転戦略」はあるのか ロシアの仲介で北朝鮮とトップ会談?

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もしロシアのプーチン大統領の仲介で米朝首脳会談が実現すれば、いまトランプ大統領を窮地に追い込んでいる、ロシア絡みの2つの疑惑など吹っ飛んでしまう。米議会ももはや文句をつけられない。

「手がクリーンでなければ、相手に文句はつけられない」という言葉が、アメリカ法にはある。北朝鮮問題を放置して、何もしなかった歴代の大統領はもちろん米議会も、手はクリーンではない。そんな議会に、トランプ氏を責める権利はない。

米議会はトランプ氏に何の文句もつけられない

アメリカ法は、コモン法(慣習法)と衡平法の2つで成り立っている。前述の言葉は、後者の衡平法の概念からきている。その考え方は、バランスがよく取れた裁定である。いわば「大岡裁き」のような、情理を尽くした名判決といえるだろう。

アメリカ国内では、衡平法は裁判官の法ともいわれる。トランプ大統領が敬愛する姉のマリアン・トランプ連邦控訴(高等裁判所)裁判官は、もちろんそのことを熟知しており、常日頃、弟のトランプ氏にアドバイスしているに違いない。その成果が実っているともいえよう。

そんなバランスの取れた名裁きの条件が整えられれば、米議会はトランプ氏に何の文句もつけられない。トランプ氏が、ロシアの仲介で、最も厄介な北朝鮮の核開発停止に一定のメドをつけることに成功すれば、その可能性は十分ある。

それどころか、トランプ氏は議会を黙らせることもできるようになる。さらに2020年の再選の可能性も出てくる。それはまさにトランプ大統領の「ウルトラC」戦略だ。

湯浅 卓 米国弁護士

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ゆあさ たかし / Takashi Yuasa

米国弁護士(ニューヨーク州、ワシントンD.C.)の資格を持つ。東大法学部卒業後、UCLA、コロンビア、ハーバードの各ロースクールに学ぶ。ロックフェラーセンターの三菱地所への売却案件(1989年)では、ロックフェラーグループのアドバイザーの中軸として活躍した。映画評論家、学術分野での寄付普及などでも活躍。桃山学院大学客員教授。

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