急落した日本株、今から買ってもいいのか? ドル円相場の値動きから見た相場予測
金融市場は一気にリスクオフに転じてきました。ドナルド・トランプ米大統領とロシアとの関係をめぐる「ロシアゲート」疑惑が深刻化。トランプ大統領が、解任されたジェームズ・コミーFBI(連邦捜査局)長官に対して圧力をかけていたとの疑惑が報じられると、17日のアメリカのNYダウ平均は前日比で372ドル安と今年最大の下げ幅を記録しました。債券高(10年債利回りの低下)、ドル安円高が進み、さらには「恐怖指数」といわれるアメリカのVIX指数は1日で約46%も上昇しました。18日の日経平均株価も前日比261円安の1万9553円で取引を終えました。
北朝鮮の度重なる挑発行動に対しても、ナスダック指数を中心に世界の株式市場は史上最高値ムードに包まれてきました。しかし直近は、有名な相場格言「セル・イン・メイ(5月に株を売れ!)」を意識せざるをえない状況になっています。これは暴落への第一歩なのでしょうか。
意外? 円高トレンドはいったん終了したかもしれない
やはり、日本株にすぐに影響を与えるのは為替相場でしょう。ドル円相場は4月下旬以来の一時111円割れとなりました。トランプ大統領の弾劾があるかどうかはともかく、今後も疑惑に対する懸念は色濃く残るでしょう。また短期的には警戒感を解くようなビッグイベントもなく、しばらく不安定な相場展開が予想されます。
しかし、意外に思うかもしれませんが、筆者は昨年12月からの主たる円高トレンドはいったん終了した可能性が高いと考えています。理由はドル円相場の値幅からです。ドル円相場は4月17日に付けた安値108円から、直近高値114円まで6円ほど円安に動きました。昨年12月に付けた円の安値118円66銭からの円高局面では、最大の円安方向への戻りとなりました(1回の戻り幅が大きかった)。このことから、目先はドル高になる可能性がある、と考えるわけです。
今回の急速なドル安円高は遅かれ早かれ、4月のドルの安値108円という「一番底」に対する「二番底」(直前の安値を下回ることがない短期的な安値)を試すために、予想されたことだと感じています。つまり、「トランプ大統領の今回の疑惑」は、結果的に長期化しない可能性があることが、為替の動きから予想されます。
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