若林栄四氏「2022年の為替は1ドル65円だ」 伝説の為替ディーラーに5年後の経済を聞く
NYダウは、3月1日に2万1115ドルをつけ、過去最高値を更新。米長期金利は、昨年12月、今年3月と2度の利上げを受け、一時2.62%まで上昇した。米国株は高値圏で推移、日経平均株価もほぼ2万円を回復した。
だが一方で「米国の長期金利低下と米国株、日本株の大幅調整、そして円高進行は間近だ」と「不気味な予測」をする人物がいる。伝説のディーラーと呼ばれる、ワカバヤシFXアソシエイツ代表の若林栄四氏だ。同氏の相場見通しは、プライスアクションに基づいたものだ。単に上がるか、下がるかだけでなく、いつ、いくらになるのかを、「黄金分割比率」を用いたチャート分析で解明していくのが特徴だ。若林氏によると、為替はこれから再び円高に進むという。どんな根拠があるのか。
ドルは下げ相場のパターンに入っている
ドル円は、昨年12月に1ドル=118円台までドル高が進み、一時は120円も視野に入った。だが、米国が利上げを行ってからも、大幅なドル高にはなっていない。「北朝鮮などの地政学リスクがドル高円安になりにくい1つの要因だ」という市場関係者もいる。
だが若林氏は「北朝鮮の有事リスクなど、後付けの理由にすぎない。そんなものはなくても、ドルは売られていた。為替相場は私から見れば完全なドルの下げパターンに入っている。いったん、戻り高値(ドル高)を見て、そこから再び本格的なドル安が始まるだろう。2017年の後半から、米国経済の景気は下降線をたどり、米国長期金利は急低下する。2022年に向けて、ドルは65円台まで下落するだろう」。
では、ユーロはどうなのか。「ユーロの対円レートはおおよそ8年ごとに高値を付けた後、平均で40%程度下げている。直近に付けた高値が2014年12月の1ユーロ=149円78銭なので、そこから40%下げたとすると、次のユーロの下値メドは、89円前後になる」。
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