「1600件のプッシュ通知から、一定数の来店者、購入者がいるだろうと考えられる。今後、来店、購入などの詳しいデータの取得方法を検討していく」と、頓智ドット株式会社営業部長の佐藤僚氏は話す。
たとえば、ユーザーがtabに入れた場所を訪れると「チェックイン」のように、“来店済み”にする機能を追加すれば、来店の記録は保存できる。
「tab経由で実際に来店してくれたか、購入に至ったか、などのデータもわかるようにしていく。そうなると、個人に応じた接客も可能になるだろう」と、頓智ドット社の谷口昌仁社長も話す。
接客だけではなく、店頭の売り場を作るうえでもtabのデータを生かせる、という。三越伊勢丹ホールディングス・営業本部グループWEB事業部でWEBメディア担当を務める京樂里奈氏は次のように話す。
「興味を持っている方の属性や、どのアイテムがよく見られているかがわかれば、展開の仕方、品ぞろえ、店頭の陳列などのマーケティングの面でも非常に重要なデータになるだろう」
ベンチャー系O2Oサービスの共通の課題のひとつに、どう収益化していくか、がある。
現状、約190社がtabの企業アカウントを活用しているが、課金はしていない。今夏以降をメドに、有料のプレミアムアカウントを開始する予定だ。有料アカウントでは、企業専用の「管理画面」のような機能の導入を検討している。
たとえば、ユーザーが自社の店舗や商品をtab帳に入れている情報、プッシュ通知数、来店数などの統計情報を管理画面で確認できるようにする。店舗側は、データをより有効活用できるようになる。ほかにも、プッシュ通知時のクーポン表示、多店舗展開しているブランド向けの追加機能などを有償で提供することを考えている。
攻めのショールーミング
さらなる大きな展開として、tabは“リアル店舗とネット通販の融合”を掲げている。今夏以降、“買い物かご”と決済の機能を追加する予定だ。ユーザーは、tabに載っている商品を、ネット通販と同じ要領でtabから購入できるようになるという。商品は、配送のほか、店舗での引き取りもできるようにする予定だ。リアル店舗にいるときでも、レジに並ぶのが面倒なときはtabから買えるような構想だ。
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