「これこそが僕らの日常業務。エンジニアも一緒に議論してもらう。すべてユーザー中心でサービスが動く。ユーザーに応えていないと、企業や店舗にもメリットを提供できない。どうしたらもっとtabがよくなるか、ユーザー自身にも考えてもらう。ワークショップのようにみんなで議論していく」(谷口氏)。
実際、企業や店舗向けの営業担当は、営業部長の佐藤僚氏のみ。それ以外の社員は、ユーザーとひたすら対話して検討することがメイン業務だ。
tabのユーザーは、もともと紙の雑誌が好きだった人が多い。雑誌を見てメモをしたり、スクラップ帳を作ったりするのが好きな人だ。発信して人気者になりたいというよりも、あくまで自分自身が楽しむことを第一にtabを使っている。そういったユーザーだからこそ、tabをよりいいものにするために積極的に協力してくれるという。
中小企業、地方の店舗にも使ってほしい
現在、tabは、三越伊勢丹のような大企業を中心に活用されている。どのようにして、中小の企業や店舗、地方の店舗に使ってもらうかが、今後の課題となっている。
「地域や地方のこだわりをもって頑張っている個人商店にとって、強力なツールがあまりないのが現状。顧客がどんどん減っている。しかし、O2Oを使ってお店のよさやこだわりを伝えて、お客をもっと呼びましょうと提案しても、理解してもらうのが難しい」と、谷口氏は話す。
多くの地方の店舗、中小企業にとっては、ネットとリアルがつながるということ自体への理解がまだできていないのが現状だ。
「スマートフォンやアプリは、ある程度、トレーニングをすれば使えるだろう。それよりもマインドの部分。O2O以前に、ネットを使うとどういうことができるか、という想像すらついていない状況がある。ここが最大の課題だ。まずは、大企業との取り組みで成功事例を作り、中小の店舗の人たちにtabの価値に気づいてもらう。事例がないと想像してもらえない」と頓智ドット社の佐藤氏は話す。
従来ない、まったく新しいO2Oサービス、頓智ドット社のtab。ユーザーにとっては楽しい“my雑誌”であり備忘録、店舗や企業にとっては、商品やサービスの魅力を伝えるメディアとなる。普及するか否かは、いかにtab導入の成功事例を積み上げていくかにかかっているだろう。
(撮影:田所千代美)
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