2.強みを、全体最適とマッチさせる
さきほどの強みが自分からの視点だとすれば、もう一つは、相反するようだが全体/リーダー側から、客観的に見て、全体最適とマッチさせることも大切だ。
チームや組織全体は何を目指しているのか、そのために監督やリーダーが何を期待しているのか、それを把握したうえで、自分の強みをどう活かしていくのかを重ねていく。
新しい企画や創造性のある業務が得意なら、新規事業立ち上げプロジェクトであればその強みは活きる。逆に、ルーチン業務の改善を粘り強くできるなら、細かい管理が苦手な上司のフォロー役にまわるといった具合に、チームの一員として価値を存分に発揮できるかもしれないのだ。
ビジネスもサッカーも、多くはチームで行うものだ。個人プレイで優秀であっても組織やチームの方向性とうまくベクトルをあわせられない優秀さは意味がないも同然だ。全体最適の視点を忘れない決断にこそ、価値がある。
ということで、ザックと日本代表を引き合いに出して、リーダー側と選ばれる側での決断を見てきた。読者の皆様も、「おいおい!そこはパスじゃなくてシュートだろ!!」と選手の決断に文句を飛ばすだけでなく、まず日常のビジネスの中で小さな決断を繰り返すことで「決断筋」を鍛え、大きな成功のチャンスをつかむスタートとしていただければ幸いだ。次回からは、決断筋の詳細なトレーニング法等について見ていこう。
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