ザッケローニ監督に学ぶ、サバイバル決断術 【新連載・第1回】決断力は、スポーツのように鍛えよう

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選ばれる側の「決断」とは何か?

では、逆に選ばれる側(選手)の決断も見ていこう。日本代表の新選出メンバーなら、代表定着に向けて監督にアピールしたい。しかし、一生懸命プレイしたとしても、実際は代表に残れるのはごくわずかだ。会社の中でも、一生懸命仕事をしていても必ずしも出世するわけでもなければ、努力はしているのに全員がチャンスをつかめるわけでもない。では、「仕事がうまくいく」「出世」のヒントは、どこにあるのか。

ザックはこんな言葉を残している。

「代表選手の選考の基準は、『個性・身体能力・技術』そして『戦術理解』です」。

ビジネスに例えればポイントは2つ。「①強み=ウリ」と「②全体最適の視点」ということだろう。

1.「強み=ウリ」を決める

まずは、他者と違う、自分の「強み=ウリ」がどこなのかを明確に決めることだ。スポーツ選手は、自分の「強み」が何たるかをよく知っている。競争が激しいのでビジネス界以上に他者との差別化をしないと生き残れないからだ。

ただし、「強み=ウリ」は人それぞれだ。同じポジションでもいろんなスタイルがあるように、香川タイプのように卓越したスキルを武器に、例えば論理思考力やプレゼン力などを持って活躍するスマートなビジネスパーソンもいる。一方、前線で決してあきらめずにボールを追い回し、ここぞという時にヘディングで値千金の泥臭いゴールを決める岡崎タイプのように、足で稼ぎ、決して諦めずに努力し続けるような粘り強いビジネスパーソンもいるだろう。

実は、どちらもチームには不可欠な力だ。それぞれの個性・強みを活かしてプレイすることが必要なのだ。ビジネスも全く同様である。あなたの「強み・ウリ」はなんだろうか?他とは違う武器は何だろうか?専門性やスキルかもしれない、人間性かもしれない、コミュニケーション力かもしれないし、答えは一つではない。
もっとも、強みやウリは1回ですぐ定まったり、決まるものでもない。

プロスポーツ選手がそうであるように、どんな偉大なビジネスパーソンも試行錯誤して自分の強みに磨きをかけていく。失敗することでまた次の強みが見えてくることもある。「決めて、実行し、修正する」ことを続けることが大事なのだ。

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