「ニュースの作り方」が根本的に変わったワケ BBCはなぜスロージャーナリズムに挑むのか
このほかにも、データジャーナリズムを本格的にやりたい。しっかりやるには、データを分析したり、オンラインで見せられるようにするツールのほかに、この分野に精通したジャーナリストも必要になるが、そこはしっかり投資をしたい。
第三者のプラットフォーム経由の配信が増えている
――具体的にはどの程度の投資になるのでしょう。これまでにない規模?
詳細は明かせないが、数百万ポンドを投資する計画だ。BBCニュースの予算の中で、最も優先的に投資するが、これは単なるうわべを飾り立てる努力ではない。この取り組みは、われわれが日々どうやってニュースを制作するかを根本から変える。
実際、リアリティチェックのチームは、日々、テレビでどういうニュースを放送するか決める会議にも参加している。同時に会議では、どのニュースが今いちばん「議論の的」となっているか話し合って、その日のリアリティチェックの題材も決める。
リアリティチェックやデータジャーナリズムなど新しい機能は、うわべでやるものではなく、われわれのニュースに組み込まれていくものになる。
――視聴者のBBCに対する接し方も変わっているようですね。
より多くの視聴者が、BBC以外のプラットフォームでBBCのニュースに触れるようになっている。BBCのサイトに直接来てほしいと思っているが、たとえばフェイスブックのタイムラインに流れてきたり、ヤフーで読んだりという人が増えている。どんな規模のメディアでさえ、こうした環境には慣れないといけない。第三者のプラットフォームで読まれると、クリックは期待できないが、そのニュースがより多くの人の目に触れることにはなる。
ニュースをデジタル配信できるようになって配信コストは大幅に下がったが、その一方で、サイトに来てもらうようにしなければならない。ここ5年はどうやったら来てもらえるサイトになるか格闘している。
――フェイスブックのような第三者は脅威?
今でもほとんどの読者がサイトへ直接やって来るが、第三者経由でサイトを訪れる人の割合も急速に伸びている。ひょっとしたらすべてのニュースは第三者のプラットフォームで消費されるようになるのではないか、という問題に直面しているのはBBCだけではないだろう。
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