「ニュースの作り方」が根本的に変わったワケ

BBCはなぜスロージャーナリズムに挑むのか

人々のニュースとのかかわり方が大きく変わったことで、メディアも変革を迫られている(写真:Dragon Images/PIXTA)
ここ数年、ニュースとの接し方が変わっていないだろうか? かつては、新聞を読んだり、テレビを見たりして「消費」していたのが、今ではSNSでシェアされているニュースを読んだり、自らシェアしたりすることが増えているはずだ。
消費者が積極的にニュースにかかわるようになったことでニュースがより身近になった一方で、情報の信頼性や信憑性をめぐる問題も発生している。そして、こうした消費行動や環境変化は、メディア側にも大きな変化をもたらしている。激動の時代をメディアはどう生き抜くべきか。BBCワールドニュースの編集責任者、ジェイミー・アンガス氏に聞いた。

スロージャーナリズムに投資をする

――SNSの普及などによって、ニュースへの接し方が変わってきています。

大きなテレビ局だけでなく、小さなメディア機関でもニュースの「届け方」が大きく変わった。デジタル時代になって、まずメディア業界の参入障壁が下がったほか、コンテンツ制作や配信コストが大きく下がったことで「ニュースサイトっぽい」サイトを作ることができるようになった。これは、視聴者や読者にとっても紛らわしい。世界的にメディアリテラシーが問題になっているが、ニュースの受け手が正しい情報を選ぶのは難しい。だからこそ、フェイクニュースがこれだけ話題になるわけだ。

視聴者には、ニュースの裏にある取材などのジャーナリズム的まで知る必要はないが、ネット上だと取材に基づいた記事と、そうではない記事の違いなどを見極めるのは容易ではない。BBCのような大きなテレビ局だからといって、こうした問題に無縁ということではない。そこで、BBCは今年、大規模な投資を行い、「スロージャーナリズム」に力を入れたいと思っている。

――具体的にはどういうことをやるのですか。

たとえば「Reality Check(リアリティチェック)」と銘打ったシリーズでは、事実関係をめぐって議論が噴出している話や、裏が取れていない話の事実確認を行う。たとえば、北朝鮮が保有しているミサイルの能力は実際のところどうなのか、とか、トランプ大統領が望んでいるメキシコ国境との壁を建てるにはいくらかかるのかといった話から、英国で救急車を呼ぶと平均何分で来るのか、といったデータを使って調べられる話まで、いろいろアイデアはある。

今の視聴者は、それぞれのニュースの背景にあることを知りたがっている。「なぜ」そうしたニュースが起きているかということに興味があるんだ。もちろん、速報や続報への関心も依然高いが、そのニュースをより深く知りたいというニーズの方が高い。

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