1台のスマホが照らす豪州難民施設の真実

収容中のジャーナリストが実名で内部告発

クルド人難民ジャーナリスト ベルーズ・ブッカーニさん(写真:本人提供)

今、オーストラリア人女性が手掛けた告発ドキュメンタリーが世界で物議を醸している。タイトルは『Chasing Asylum(チェイシング・アサイラム=難民追跡)』。オスカー賞を受賞したエバ・オーナー監督が、オーストラリアの難民政策の闇を暴いた作品だ。

舞台は、オーストラリアの近隣の島国・ナウルやパプアニューギニアのマヌス島。美しく透き通る青色の海に囲まれたこれらの島国で起こっている、難民申請者たちへの劣悪な待遇や人権侵害の実態を取材している。

彼らはオーストラリアへの移住を目指してイランやアフガニスタンからボートで海を渡ってきたものの、念願の国へ上陸する夢をかなえられることなく強制的に海上で拿捕され、これらの島国の収容施設へ移送されてきた。

アメリカのドナルド・トランプ大統領とオーストラリアのマルコム・ターンブル首相の電話会談で、この難民収容施設が取りざたされたのは、「トランプの難民排除、知られざる意外な矛盾」(2月1日配信)、「トランプ劇場に踊らされ見失いがちな『本質』」(3月4日)で報じた。

パプアニューギニアのマヌス島などにあるこれらの施設は、国際社会から人権侵害などと非難を浴びている。オーストラリアは難民や難民申請者がボートで直接入国することを認めておらず、この施設に収容されると、二度と本土の土を踏むことはできない。

筆者がその後もこの収容施設の行方をウォッチングしていると、興味深い動きが出始めてきた。

トランプ電話会談で注目浴びた難民収容施設 

この収容所に4年近く収容されている難民申請者のクルド人ジャーナリスト、ベルーズ・ブッカーニさん(33)が、決して取材を許されない施設内部の状況をひそかにスマートフォンで撮影し、発信し始めている。

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