1台のスマホが照らす豪州難民施設の真実 収容中のジャーナリストが実名で内部告発
まさかのトランプ大統領誕生ののちは、日々将来への不安にさいなまれることとなった。トランプ大統領が、このオバマ政権下で合意した難民取引について「ばかげた取引だ」などとして突然ツイートで怒りをぶちまけるなど、夢見ていたアメリカ行きの可能性がいよいよ、不確実性を帯びてきたからだ。
大きな不安の渦の中
はたして、ここから何年の間、またこの収容施設に留め置かれるのだろう、トランプ大統領は再び考えを変える日は来るのだろうか――。今、難民たちは大きな不安の渦の中、日々を過ごしているという。
ブッカーニさんによると、最近になってアメリカ政府の関係者が取引の履行に向けてなのか視察に訪れ、指紋や写真などを取り、一部の難民認定申請者らに対し面談を行ったという。だが、はたして何人の収容者がいつアメリカに行けるのか、具体的なことは見えてこない。
ブッカーニさん自身も、「自分がアメリカに行けることになるのかまったくわからない状態だ。仮に行けることになったとしても、この施設に収容されている仲間たちの正義が確保されなければ、自分だけ離れることはしがたい」と考えているという。
やり取りの最後に、少しでも収容施設内での生活の癒やしになればと、桜が満開の日本の風景写真を送った。
「日本は美しいですね……いつか、訪れてみたい。きっとすばらしい国なのだと思います」
近く、またこの収容施設内の状況は動くかもしれない。スマホを通じた難民施設からの訴えは、いま着実に世界に届き始めている。
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