稲穂:なぜジャニーズ事務所が、そこまで敏感になったのか。ジャニー喜多川さんは、終戦後のアメリカ在住時、現地に来る日本の芸能人の興行のお手伝いをしていました。その際、出演する芸能人の写真を会場で売ったところ、飛ぶように売れたそうです。そこで肖像がお金儲けになると認識した。実際にラジオ番組でご本人がそう話されています。肖像に関する権利に対する意識が強くなった原点は、アメリカでの経験にあるようです。
木本:なるほど。そこから始まっているんですね。
稲穂:権利意識が強い会社とか個人とかは、だいたい大きな失敗か成功の体験があって、他よりも意識が高くなっていく傾向にあると思いますね。
SNS時代のタブーとは?
木本:ロケをしていても、ジャニーズなど人気のアイドルやスターの写真が勝手に撮られて売買されるのはよくないと思うので、写真がNGなのはわかります。でも理由がふわっとしているというか、全体的に「タレント=写真撮ったらダメ」みたいな雰囲気なのはちょっとおかしいなと思うときもあります。ロケ時にスタッフさんが、「写真遠慮してください」と、芸人しかいない場合でも言ったりして。僕らの写真なんか誰も売らへんと思うんですが。
稲穂:どんな美男美女でも、撮り方によってはきれいに写らなかったりしますよね。スマホで素人が適当に撮った写真は、もしかしたら本人のイメージに合わないかもしれない。それが流布するのを防ぎたいという部分もあると思います。
木本:タレントイメージを守る側面ですね。それはわかります。
稲穂:今はなんでもすぐに拡散する怖い時代です。
木本:SNSが発達していますから、オンエア前のロケシーンをネットにアップされるのは確かにNGにしてもらいたい。
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