稲穂:「TKOの木本さんがここにいた」とかツイッターでつぶやかれることはありませんか。おちおち気が抜けないという気持ちになることは?
木本:僕自身は撮られてもつぶやかれても大丈夫です。僕はまだ自分の名前が世に広がるのがうれしいんです、どこで何しているかつぶやかれても「オイシイ」と思います。
写真もどんどん撮ってもらって大丈夫ですし、マネージャーも全然止めません(笑)。みんながスター然としているのは、ちょっと勘違いっぽくて恥ずかしいなあと思って芸能活動しています。
稲穂:「写真を撮らないで」に関しては、最近は一般人でも自分の姿がテレビに出るのを嫌がる人が増えました。
木本:確かに、それは感じます。
稲穂:肖像権には2つの側面があります。ひとつは有名人が自分の肖像を商業的に利用できるパブリシティ権で、もうひとつが「自己の肖像をみだりに撮影されたり公表されたりしない権利」です。撮られたくない場面、たとえば「女性と歩いているところは困る」みたいな。ただ、敏感になりすぎているところはあるように思います。公共施設で撮影禁止のところが増えましたが、「なんでダメなのか」と聞くと、「来場者が写るからやめてほしい」という答え。その場にいることを知られたくない人のことを考えてのこともあるのでしょう。
東京五輪のマスコット選考に違和感
木本:後でトラブルにならないようにという意識ですかね。街頭インタビューでも「昼間はやめて」という人もいますよね。営業マンが休憩というかサボっているところは撮られたくない。新橋SL広場にいるすべての人が写りたくて来ているわけではないでしょうから、そこは気をつけなければと思います。
稲穂:私が子供の頃は、事件が起こると、ニュース番組のレポーターの後ろで近所の子供たちがワーワー騒いでいました。時代が様変わりした感じはしますね。
木本:ちなみに僕はそんな子供でした! でも、今は一般の人の顔にはぼかしを入れてSNSに上げるという常識的な配慮が求められていますよね。
稲穂:今は人の肖像はもちろん、どこかから何らかの権利を主張されないか、つねに身構えるような世の中になっているような気がします。たとえば、東京オリンピックの公式マスコットについても、選考する前からビクビクしているように感じませんか。エンブレムの一件がトラウマになっているのかもしれませんが、ちょっと違うんじゃないかと思っています。
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