SMAPの世界観を崩したジャニーズへの失望

優れた表現への尊敬があっただけに

SMAPがジャニーズ事務所にいなかったら、これだけ有名になれていたのでしょうか?
前回に引き続き、『SMAPは終わらない』(垣内出版)の著者であり、気鋭の評論家として注目を集める矢野利裕氏との対談をお届けする。
今回はSMAP解散における批判が集まっているジャニーズ事務所についても、徹底的に議論してみた。

 

前編:「SMAP解散」に見えた芸能人という名の労働者

あの人がくれたもの

この連載の記事一覧はこちら

常見 陽平(以下、常見):もしSMAPの5人がジャニーズ事務所にいなかったら、これだけ有名になれていたのでしょうか。

矢野 利裕(以下、矢野):難しいですね。SMAPが唯一無二なのは、アイドルの中では自由だけれど、やっぱりアイドルであるという両義性があるからです。その両義性は、ジャニーズアイドルをやることで、保たれていたところもある。もしかしたら、木村(拓哉)君は俳優だけやり、中居(正広)君は歌わずにバックダンサー……好きなこと・得意なことだけをやっていたら、そんな形になっていたかもしれません。

ですがSMAPが人気を得るためには、いつもバラバラな5人がステージの上で一緒に踊ったり歌ったりすることが大事だった。アイドル性がないと、SMAPの強度も発揮されないのです。それを舞台に上げ続けたのは、ジャニーズの歴史があるから。彼らが売れたのは、歌や踊りが上手いから、あるいは、親しみやすいから、という単純な話ではないでしょう。

次ページジャニーズだからこそのSMAP
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 本当に強い大学
  • 西村直人の乗り物見聞録
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
半導体狂騒曲<br>黒子から主役へ

情報通信に欠かすことのできない半導体。可能性は広がる一方、巨額のマネーゲームの様相も強まっています。国の命運をも左右し始めている激動の業界。日本と世界で今何が起こり、どこに向かおうとしているのかに迫ります。

東洋経済education×ICT