SMAPの世界観を崩したジャニーズへの失望

優れた表現への尊敬があっただけに

郷ひろみさんで中性的な存在が活躍した。かと思えば、シブがき隊には、本当にアイドル? と言われるような人が入る。でも、それがだんだんクセになっていく。V6のいのっち(井ノ原快彦さん)もデビュー当初はそんなふうに言われていましたが、いまや堂々たるアイドルっぷりじゃないですか。既存の市場のモード自体を変革してきたと思っています。

もともと特別なOnly One?

ジャニーズが強権的だからこそ、達成できているものも考えなければいけない

常見:ジャニーズ事務所は究極の新卒一括採用システムだと思っています。ジャニーズは日本の企業文化そのものですよね。「YOUたちは、明日からSMAPね」と言って、グループを組まされる。仲が良いわけでもありません。

光GENJIのように、いきなりローラーブレードを履くことになったグループもいる。SMAPだってドレスダウンしたくなかったかもしれません。ヒラヒラしたものを着て踊りたい! と思っていたかもしれない。

矢野:(稲垣)吾郎ちゃんは、もっと着飾りたかったかもしれませんね。

常見:やっぱり、搾取された要素はあるものの、所属組織に底上げされた部分はあると思いますよね。中居君は歌が下手だといいつつ、司会能力に光があたった。アイドルというステージだから、できるようになった部分はあると思うんです。

矢野:学校教育批判って時々されますよね。よく言われるのは「子どもの個性を潰して、学校の制度に合わせてしまう」という声です。ただ、実際教員になってみると、子どもたちが今までできなかったことにチャレンジして達成している部分だって、もちろんある。権力なので気をつけなければと思いつつも、教育によってもたらされる可能性の部分は無視できない。

組織として、一斉教育が行われるとき、それによって潰れる個性もあれば、生まれる個性もある。その両面を批判的にみなければいけないと思います。

常見:実際、いきなり「個性を出せ」と言われても、戸惑ってしまう。その悪しきものが就活の自己分析です。仕事をやったことがないのに、「何がやりたい?」「何が強み?」と言われてもわからないに決まっています。僕は、個性を尊重するために、まず型にはまることが大事だと思っています。型があるから、自分の個性が見える部分があるのです。

やりたいことを目指すなら、キャリアの中期、後期でいい。最初に考えたやりたいことって嘘だと思うからです。やらなきゃいけないことをやるのはすごく大事で、できることをやって、できることを増やしていく。その過程で自分に本当に向いていることや、やりたいことが見えてくる。

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