SMAPの世界観を崩したジャニーズへの失望 優れた表現への尊敬があっただけに

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常見:ジャニーズだからこそのSMAPであったわけですね。ジャニーさんの嗅覚ってすごいですよね。次の時代に好かれる男の子を見つける。

大学時代、『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)などで知られる、楠木建先生による「生産管理」という名の、経営学講義で印象に残った話がありました。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)という分析法があります。市場成長率と市場占有率の高低でマトリックスを組む。成長率が高くて、シェアも高かったら「花形商品」。成長率は低いけれど、シェアが高かったら「金がなる木」。成長率が高くてシェアが低かったら「問題児」。成長率もシェアも低かったら「負け犬」です。

事業をするにあたって、花形商品と金のなる木を作っていくのかがポイントです。さらに、今は問題児と負け犬でも、他のシェアの維持に貢献していたり、そのうち花形商品と金のなる木になったりする可能性もあります。ですから、企業の中でバランスよく配置することが大切なんです。そのとき、楠木先生が「これが抜群に上手い会社がジャニーズ事務所だ」と言ったことをよく覚えています。

「ジャニーズ系」というイメージができている

矢野:ジャニーさんの嗅覚はすごいですよね。「ジャニーズ系」というイメージができているくらいですから。

アイドル評論でよく言われたのは、コミュニケーションのネタになるようなものを投下して、コミュニティが活性化する、その方法がクレバーだということです。僕は、ジャニーズの場合は違った印象もあります。ジャニーズは、必ずどこかで一個攻めていく。そこでコミュニケーションが再編成されていて、次のステージでは独壇場になっていく。その歴史なんです。

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