アナログレコードがなぜか急成長する理由 PERSONZ「限定リリース」の挑戦から考える

✎ 1〜 ✎ 58 ✎ 59 ✎ 60 ✎ 最新
拡大
縮小
なぜ、今、レコードが人気なのだろうか?

ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞、ライブチケットの高額転売問題、世界的に人気を呼んでいる音楽定額配信サービスのSpotifyの日本上陸など、今年も音楽をめぐる話題がいっぱいだ。

注目すべきトレンドがある。世界的にレコードの売り上げが伸びていることだ。国際レコード連盟の調べによると、2014年のアナログ・レコード市場規模は3億4680万ドルで、前年比54.7%増となっている。アメリカではレコード販売数は10年連続で増え続けており、今やアルバム全体の5%を占める。

日本レコード協会の調べによると、我が国でも2015年、レコードの生産数は66万2000枚を記録している。前年の40万1000枚に比べ65%増加した。新譜をレコード限定で発売するアーティストまで現れた。毎年、11月3日にはレコードの日というイベントまで開かれている。

なぜ、今、レコードが売れるのか。これは音楽業界を超えた、変化の兆しなのだ。

PERSONZが処女作を「再録」し、レコード限定発売

この連載の記事一覧はこちら

9月23日19時。川崎駅から至近のライブハウス「クラブチッタ川崎」には普段、観客が並ぶフロアに機材が円陣のように並んでいた。通常のステージとは違い、ボーカル、ギター、ベース、ドラムが向かい合うかたちだ。暗い会場を、照明が包む。まるで、屋根裏部屋のような雰囲気だ。何かこう、人の部屋を覗いているかのような気分にもなる。

ライブハウスのドアが開く。現れたのは、PERSONZだ。「DEAR FRIENDS」などのヒット曲で知られるロックバンドである。1984年に結成され、1987年にメジャーデビュー。コンスタントに活動を続け、昨年の6月には24年ぶり3度目の武道館ライブを成功させている。

次ページ29年前に発表したファーストアルバムの再録音
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT