「大磯町」は神奈川観光の第4の核になれるか 旧吉田茂邸の一般公開開始
神奈川県には、横浜、鎌倉、箱根という海外からも多くの観光客が訪れる国際観光都市がある。
県は、これらの3都市以外にも、ポテンシャル(潜在的可能性)のある魅力的な観光地が県内にあるとし、2012年度に、優れた“国際観光地を目指す構想やプロジェクト”を募集・認定・支援する「新たな観光の核づくり認定事業」をスタートした。
博物館という位置づけで一般公開
その候補地として、審査の結果、選ばれたのが、城ヶ島・三崎地域(三浦市)、大山地域(伊勢原市、秦野市、厚木市)、大磯地域(大磯町)の3地域で、現在、横浜、鎌倉、箱根に次ぐ、“神奈川観光の第4の核”になることを目指している。
そのうちの大磯町に、この春オープンしたのが、2009年に原因不明の出火により焼失し、再建事業が進められていた「旧吉田茂邸」だ。
「旧吉田茂邸」とは、戦後5期にわたり首相を務め、“戦後復興の立役者“とも言われる吉田茂元首相(1878~1967年)の旧邸宅で、全国からの寄付や、県などの協力を得て大磯町が再建工事を行い、このほど完成し、4月1日から大磯町郷土資料館の別館として、博物館という位置づけで一般公開を始めた。
3月26日には、吉田茂の孫にあたる麻生太郎副総理兼財務大臣や菅義偉官房長官、神奈川県の黒岩祐治知事をはじめ多数の来賓を迎え、落成記念式典が執り行われたが、その来賓の祝辞の中でも、たびたび、この“第4の核“について言及がなされた。
現在、町は祝賀ムードに包まれているが、はたして旧吉田茂邸のオープンにより、大磯が“神奈川観光の第4の核“になりうるのかを、現地取材を踏まえ考察してみたい。
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