「マルチスキル」で勝負するには作法がある 「需要」があるかの見極めが大切

✎ 1〜 ✎ 136 ✎ 137 ✎ 138 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
司法試験に合格して、大手法律事務所に入りたいのですが……(写真:Graphs / PIXTA)

→安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

国家公務員(国税のノンキャリア、法人の税務調査)として働いている29歳男性です。将来、大手法律事務所で勤務することを希望しています。そのため、学生時代にも挑戦した司法試験の勉強をしています。
勉強を続けている法律学を軸に、今の仕事である税や会計、できれば経済学という複数の領域にまたがって仕事がしたいということです。そのために、司法試験合格後に、金融庁、国税庁、公取といった専門性の高い省庁に官僚として就職し直して、当局で専門性を磨き、大手法律事務所に入ることを考えています。
大手法律事務所が税理士法人を立ち上げるなど、タックスローヤーの必要性が言われるようになってきたため、上記のようなことを思いました。この選択をどのように思われますか。アドバイスお願いします。
公務員 H

 

この連載の記事一覧はこちら

質問文が長文だったため割愛して掲載をしましたが、今までキャリアについて非常に苦労をされてきた軌跡が、いただいた文章からうかがえました。

ぜひ、今後のキャリアを切り開いていただきたいのですが、その前提として以下の重要な3点を肝に銘じた行動を心掛けましょう。

1. Hさんはキャリアの後発組である

2. キャリアとはユニークネスの構築である

3. 無駄な仕事はない。どんな仕事も心構え次第で可能性を切り開く武器にも無駄にもなりえる

まず1点目ですが、これは言わずもがなでしょう。紆余曲折があったにせよ、Hさんは現在の税務調査という仕事においても、また今後、目指される大手法律事務所においても、そのまま新卒でキャリアを開始したメンバーよりも出遅れ組に入ります。現在の仕事を開始した年齢も、そして今後、入社する場所においても、年齢そしてキャリア上の経験という2点において後発組であるということは、変えることのできない事実です。

したがって新卒組と同じ方法で勝負するのではなく、違う角度から勝負してご自身の価値を組織の中で形成することが求められます。そのため、ますます2点目のHさんならではのユニークネスの構築、すなわちキャリア上の差別化戦略が求められるわけです。

次ページそのキャリアに需要はあるか?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事