「古臭い姑」との不幸な憎み合いを避ける方法 ダメなら明確に断ったほうがお互いのためだ

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一方、夫の立場としても、自分の実家との普通の交流も嫌がる妻に、自分たちが軽んじられているとか、自分への愛情がないからだとか、親戚みんなとうまくやってくれる妻しか愛情をもてないなどと、不満いっぱいです。これは複雑に考えないことです。“無理に水を飲ませよう”としないことです。親戚のよさを知らず、情けもまだ湧いていません。

さて、ここにきて私が、義理の親や親戚付き合いは無駄が多いと考えている人間だと誤解されないか心配です。

実は私は、親戚大好き人間です。わが子どもたちが親戚から、「親戚大好き人間に育ったね」と言われ、自身もそうだと気づいたことです。私にとって親戚は、とても心強い存在です。親しくとも近くにいる他人には頼めないことも、遠くにいる親戚なら、その理由だけで頼めることは多いものです。

親戚付き合いを押し付けてはいけない

助け合い、お互いに頼もしい存在が多いほど、ありがたみや信頼感が増します。困難に直面しても心強く、恩や期待を裏切りたくないというモチベーションにもなります。このようにいえば、損得勘定で親戚をとらえているように聞こえますが、決してそうではありません。

人間は社会的な生き物なのに、親戚というだけで敬遠する人は、他人とも良好な関係をもつのは難しいと考えています。私は姑と同居し、夫の親戚とも親等の距離にかかわらず、心が通じる人とはどんどん付き合いました。喜び合う人が多いほど幸福は大きく多くなり、悲しみは支え合い、助け合うことで慰み励みになります。

義理関係でも、すてきな家族になっている事例も数多いのです。お互いの立場を尊重し、思いやりつつ、できないことは明確に線引きしておくだけで、小さな行き違いは随分避けられると思っています。

しかし、ここで大切なのは、「自分が家族や親戚付き合いを大切にしているからと言って、それを伴侶に押し付けない」ということです。

「伴侶の意思を尊重すること」を「時代錯誤の姑の封建思想」に優先させることが、実家の過干渉による家庭崩壊を免れるために大切な基本方針なのです。

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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