「古臭い姑」との不幸な憎み合いを避ける方法 ダメなら明確に断ったほうがお互いのためだ

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非常識な人に合わせるのですから、無条件に従っているかぎり関係の改善はなく、大変な人生泥棒に振り回されることになります。

たとえば「姑のハトコの孫の学芸会出席を、息子の嫁に義務づけている」などは序の口です。本来は同居すべき立場を別居させているのだからと、長男のお嫁さんを、車で40分以上かかる息子宅から、毎日親の家へ通わせて家事をさせていた姑もいます。いろいろ“家”のことを覚えさせるためかと思いきや、(そのお嫁さんに)3人目の子どもができてからも続けさせたのですから、こき使っていただけです。

遠い親戚との付き合いや、冠婚葬祭で包む金額の決定まで義理の親がしてきて、おカネのやり繰りが大変なお嫁さんもいました。2万円包むよう言われたのをやむを得ず1万円にしようとしたところ、「恥をかかせる気か」と叱責されたというのです。

そんなとき、夫たちは何をしていたのでしょうか。実は、このような母親の息子は、たいがい母親に洗脳されており、似たような考えをしている人が多いのです。無関心を装って逃げるのはいいほうで、母親と一緒に妻を責めるしか能のない夫も少なくありません。

明確に断ったほうが、お互いのためによい

嫁の意思や本心・時代に合った価値観など、学びがない彼女たちには知ったことではありません。しかし、徐々に知らせていく努力が大事なのです。このような姑に逆らう怖さは尋常でないそうですが、若夫婦の仲がこじれるか、ストレスをためて人生を無駄に過ごすより、ずっと賢明です。

上記のケースでいえば、ハトコの孫の運動会は、「その日は都合が悪く伺えませんが、陰ながら応援しています」。10年近く本宅通いを続けた人なら子どもを1人もうけた段階で、「体力的に大変ですから、本宅通いは週1回にさせてください」と、徐々に回数を減らしていく。親戚の冠婚葬祭費は、「家計に合った品物を贈るようにします」などと、強い意思で伝えるべきでした。

姑は激怒したり混乱するでしょうが、その土俵に乗ってはいけません。結果的にはお互いのためなのです。70歳近い私が”言うは易し”も承知で、確信をもって申し上げています。

何もかも拒否すれば自分の常識を疑われ、夫の機嫌も損なうでしょうが、納得のできることを機嫌よく付き合うことで、できないことを主張していくのです。相手の性格を無視した正面衝突も知恵がありません。

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