<ミセス・パンプキンからのコメント>
結局は本人のやる気次第
馬をどんなによい水飲み場に連れて行っても、飲み方までは教えられないといいます。飲む、飲まないは馬にかかっているわけです。よい環境や親の模範や適切な支援があってもやる気が起こらない子、それらが何もない環境でもやる気を出す子などさまざまですが、結局は本人の「やる気」がいちばんで、馬なら自分で探してでも水を飲みに行く馬が、生き残れる馬だと思うのです。
姉とは3歳離れていて受験勉強をする友だちがいなかった息子は、机の前に座ること自体が苦痛な子でした。その点、親子戦争をしながら嫌々でも勉強する兄の姿をみていた弟が、特に勉強好きでもなかったのにもかかわらず、すんなり勉強を始めたのとは対照的です。この学生さんのように勉強熱心な親の姿をみて学ぶことの大切さを身に付けられたのは、そんな姿を見せられなかった私としてうらやましく、後悔しきりでした。
この息子は大学生か社会人になってから、かなり広いジャンルにわたる本を読むようになりました。そして韓国語を独学するようになってからは、それらの本を全部韓国語で読み、前に私が香港を訪れたときは、中国語をものにしつつあった頃で、朝、目覚めたときから流すテレビはみな中国語放送、新聞も読書も翻訳本も全部中国語。聞いてないときでも放送を切りません。チャンネルを少し回せば日本語放送になるのですが、その熱心さに言い出せず、私もずっと聞いていました。
そういえばあるとき、彼は中学受験時代を振り返って、なぜその勉強をせねばならないか、当時はさっぱりわからなかったそうです。聞いた私がびっくりしました。そこへ進学すればどんな利点があって、将来の選択肢がどのように広まるかの説明を一度もしないまま、とりあえず有無を言わせず勉強させた私も、そうとう乱暴だったと遅まきながら気づきました。
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