ジャーナリスト、千葉敦子さんの言葉
10歳になる前の、日が暮れてもザリガニだカメだと川から帰ってこなかった子の周囲に、その学校へ進学したモデルがいたわけではありません。やる気を喚起するための説明もないまま受験勉強をさせられた息子は、母親のための勉強をさせられていると、ずっと思っていたというのです。聞いてみるとそれももっともなことで、よい家庭環境で自然に勉強好きになる子に比べても、そうとう不幸な境遇だったといえます。
“やる気のある子・ない子”という表現が時々使われますが、目標を見つけた子、見つからない子、と言い換えることができるかもしれません。勉強嫌いの子だったのに、目標や必要にかられてする勉強の集中力は、勉強好きな子に遜色ありません。誰にでも目標や夢が定まると、やる気はおのずとそれについてくるということでしょうか。逆に言えば、目標や夢を持たずして、やる気は喚起できないということかもしれません。
「活字を読まない人を信じない」
これは早世したジャーナリスト、千葉敦子さんの言葉です。テレビでは軽い言葉がどんどん飛び交い、カラオケが流行し始めた頃で、せっかく人が集まっても、カラオケでそれぞれの歌自慢をして満足する人たちを皮肉りました。カラオケの時間は人が会っているうちに入らないというのです。
せっかく出会った時間を、お互いをもっと知り、情報交換して高めあい、共通の楽しみを見つけることに使えるのは、人間ならではの特権です。実りのある会話がどんどん減っていくことは、人間関係の希薄化につながり、成長のない人間の再生産につながると、千葉さんは嘆いておられました。
読書量が豊富な人と話したり討論したりすると、目からうろこが出たり説得力があるのは、誰しもが経験していることだと思います。情報が氾濫する時代にあって、情報に振り回されることなく、情報を取捨選択できる筋の通った個の確立というのも、読書から得られる知識やそれから養われる思索なしでは難しいことです。
この学生さんは親が勉強熱心だったから、自然に勉強の大切さを学んだと言います。子供を勉強好きにしたいと思っておられる読者の皆様、まず私たちが勉強する姿をみせる必要があるようですね。
※ ミセス・パンプキンさんへの相談はこちら
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