同調査によると、「嫌な思いをした場所」(複数回答)への回答で最も多かったのは「電車内」(59.3%)。続いて「駅構内」(50%)、エレベーター内(46.4%)。日々の暮らしの中で利用せざるをえない公共の交通機関の中で、多くのお母さんが不快な思いをしていることがわかります。
それでは、ベビーカーを使うお母さんたちは、具体的にはどのような体験をして、嫌な気持ちになったのでしょうか。
「エレベーターでベビーカーは乗せてもらえず邪魔者扱いされた」と回答したのが21%。「電車やバスなどの公共交通機関内で舌打ちされた」のが18%。このほか、「ベビーカーを蹴られた」「バスの運転手さんに迷惑そうな言動をされることがよくある」という方もいるようです。
彼女たちの胸中をもっと深く聞いてみたい、そしてその中から、問題を解決するヒントが得られないだろうか。そう思った私は、実際にベビーカーを使っている4人のお母さんたちに話を聞きました。
「大変なんだからわかって」ママには違和感がある
「ベビーカーに対して批判的な人の気持ちがよくわかる」と語るのは、フルタイムで働きながら、1歳の息子さんを育てる清花さん(仮名・31歳)。自分自身も日頃ベビーカーを利用する中で、ベビーカー批判の原因はベビーカーを使うお母さんたちの態度にもあると考えています。
「『大変なんだからわかってよ!』という姿勢の人には違和感があります。電車のドアの側にベビーカーを置いて、出入り口をふさいでいる人なんかを見ると、やっぱり迷惑なんじゃないかと思います。私は電車などに乗るときは抱っこひもで行きます。どうしてもベビーカーを使わなければならない場合は、畳んで、入り口には立たないようにします。
道を歩くときも、細い道をベビーカーでゆっくり歩くママたちが多いと感じます。道をふさいでしまっているので、後ろの人はイライラしているのですが、誰も注意できない。本人たちに悪気はないのでしょうが、『気づく』『配慮する』ことも大切なのではないでしょうか」(同)
もっとも、電車やバスなどの狭い空間では、どんなに配慮しても邪魔になることが避けられない場合もあります。「混雑したバスに乗る際、できるだけ邪魔にならないようにベビーカーを畳んで席に座るようにしました。ただ、電車よりも狭いバスの中では、畳んでも邪魔になります。しかも、バスの優先席は通常、前のほうにあり、乗り降りする人の動線を妨げてしまうのです。優先席の場所を入り口近くから遠ざけてもらうか、後ろのほうにベビーカーを積む荷台などを作ってもらえれば、迷惑をかけずに済むのではないかと思いました」(同)
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