「真面目に面白く!」東大寺は"小さな京大"? 東大寺学園 矢和多 忠一校長に聞く

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本連載はいままで関東の進学校ばかり取り上げてきたが、今回は初の関西遠征。奈良県高の原駅から山道を上ること20分。関西屈指の名門進学校、東大寺学園がある。男子校で山の奥にあって、なんだか秘密のベールに包まれている感じがする。
山奥の男子校、いったいどんな校風なのだろうか。それに「東大寺」の名前の通り、仏教色が強いのか?気になることは山積みだ。早速矢和多 忠一校長に話を聞いた。

――関西屈指と言われる東大寺学園、どんな学校なのでしょうか。

あまり大学の合格実績は意識したことはありません。校風はやはり、自由な学校でしょうね。制服もないし、生徒手帳もない。校則もないですよ。自由な校風と言えば聞こえはいいですが、それは大変なことだと思います。自律的にアカデミックな面も極めていかなければなりませんから。よく言われるのが、京大と似ているということです。

京大と似ている中高一貫校

――京大に進学する生徒も多いですよね。

ええ。学校側として、進学実績はほとんど気にしていませんが、やはり奈良にある学校ですから京大は身近な存在です。今年は現役で45人が京大に合格しました。1学年180人前後ですからかなり多いと思います。みんな「とりあえず京大に行きたい」と言っている感じもしますが(笑)。そのうえ、iPS細胞の山中伸弥教授の影響で京大の医学部志望が増えています。

中には「ちょっと現役で京大医学部は無理やろ……」と思う生徒もいますが、学校側としてはあれこれ進路指導はしません。「頑張りや!」と声を掛けて、できるだけ受かるようにフォローしていくだけです。まぁ大抵1年間浪人すれば何とかなります。学校が好きな生徒が多いですから、浪人中でも遊びに来るし、夏に遠泳を行うのですが、そういった学校行事にも参加してくる。

でも中には浪人してしまうと、学校に来なくなってしまう生徒もいます。ですが、うちは旧高3の担任団と進路の担当者が近畿の各予備校に在籍している生徒一人ひとりに会って、「今年はどや?」と声をかけたり、暑中見舞いを出したり、激励会をやったりしています。むしろ、現役当時よりも手厚い対応かもしれませんね(笑)。

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