よくあるのは、業務報告だけの会議。事務局が延々と会議資料を棒読みするのを聞くだけで、時間が過ぎる、あの会議です。そんな徒労感漂う会議が全国の職場で、莫大な数、開催されています。
「読めばわかることを、読んで説明するな。時間のムダ!」
と心の底で叫んでいる人も多いでしょう。先ほどの調査によると、
「無駄な会議等が多い」45.0%
次いで「会議等の時間が長い」「会議等の頻度が多い」と、苦痛を感じている人が大半です。さらに、無駄さを増幅させるのが
《偉い人(責任者)による“独演会”の時間が長い会議》
です。参加者の中でいちばん偉い人が、延々と持論を展開し、誰にも止められない状態。ちなみに、みなさんは会議の場で、独演会を自ら行ったことはありますか? 不思議なもので、若手社員のときには受身で参加していたのに、立場が変わって“偉い人”になると
建前)みんなのために言わなくては
ホンネ)一席ぶつのは気持ちいい
という衝動に駆られ、「長くて、苦痛」な独演会を平気でやり始めます。偉くなるまで、黙って時間が過ぎるのに耐えてきた反動かもしれません。恥ずかしながら、当方もリクルート社時代に営業部長になったときには、よく会議で一席ぶっていた気がします。
「いいですか。この議題はとても重要なテーマです。なぜならば……(持論を30分語る)」
何が言いたいかと言うと……と趣旨をまとめようとしながら、なかなかまとまらない独演会。おそらく、本人は「あなたたちのためだから」と善意で話しているのでしょうが、部下たちは「簡単に伝えればいいのに、もうやめてくれ」と思ったことでしょう(当時の部下たちには、この場を借りて謝ります)。
ただ、当方だけでなく偉い立場になると、自分の方針を伝えたい、気になることは何回でも注意したい……という善意から、迷惑行動に走ってしまうのです。もちろん、その偉い人も「意見があれば、遠慮なく言いなさい」とフォローはするでしょう。
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