百歩譲ってそこに浮気心が芽生えたとしても、その段階で問題を大きくするのは、感心しません。夫婦といえど、パートナーの心の中まで独占できることではなく、その段階では信じるだけでいいのです。今も想像で、夫は実は女性のところにいるかもしれないと考えるほど嫉妬深いのは、かなり問題です。
いくら夫婦でも、ずかずかと心の中に入ってはいけない部分があるのです。この合意ができず、傷口を広める夫婦が少なくないのは残念な限りです。
「性格の不一致」と「空気の読み違え」は違う
私は「性格の不一致」離婚を、いつも苦々しい思いで聞いています。性格など、親子きょうだいでも一致しないのに、元他人の夫婦は、一致しなくて当然です。その不一致の部分を、認め合い補い合えると確信できた人と、結婚したはずでした。この確信には、性格の不一致部分を尊重することも、想定の範囲外や誤算も信頼で乗り越える必要があることは、織り込み済みのはずです。
しかし、性格の不一致が原因なのではなく、単に空気を読む配慮が足らずに、崩壊する夫婦関係は多いことに注目したいと思います。
夫が何に不満を持っているかを、直接聞いたことがないから漠然としかわからないと言っておられるのも、いけません。夫婦のコミュニケーションには、言葉だけでなく、いわゆる空気を読む能力が欠かせないのです。
この辺の空気の読み違いに「気が休まらない」「性格が不一致」と悩むパートナーの話をよく聞きます。この「空気感のズレ」をおろそかにすると、溝は深まるばかりです。
夫君があなたの関係性に悩んでいるのを読まず、あなたは何事もなかったかのごとく将来の夢を尋ねたり、家族のイベントについて話しましたが、これは逆効果です。この「空気の読まなさ」が、「話しても無駄」と無視される一因かもしれません。夫君のダンマリや否定的発言は、このような場合に多いのです。
関係が悪化している中で義両親への嫌悪感を夫君に伝えたら、“浮気の疑いの段階”であなたからあなたの実家の両親に告げ口され、呼び出された夫君はどう出るかは、夫君の性格をよく知るあなたが判断して、慎重になるべきでした。このことで問題が大きくなりました。
このような性格の夫に合わせ、苦境時にも誰にも打ち明けず、問題を最小限にとどめて解決した夫婦を何組も知っています。これらは言葉で直接教えられなくとも、生身のパートナーの性格を前に自力で読み、感じ、判断する努力が欠かせないのです。
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