こじれた夫婦仲の改善は天命を待つしかない 人事を尽くした後はあきらめよう

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「突然夫が離婚を切り出した」とおっしゃいますが、長年の沈黙は、肯定ではない、と肝に銘じなければなりません。一見、絵に描いたような幸せ(そう)な家庭でも、夫婦の一方の犠牲のうえでは、それは砂上の楼閣です。私の若い知人の夢子さんは、恋い焦がれた人と結婚することができ、4人の子をもうけ、幸福の絶頂でした。

ところが15年後、ある日突然、夢子さんの夫が離婚したいと切り出したのです。夫の美人の従姉にも、露骨に嫉妬して失礼な態度をとる嫉妬深さに耐えられないとか、わがままで、機嫌が悪いと何日も家族と口をきかない等が煩わしくて逆らえなかったが、「これ以上精神的に支配されるのは御免だ」と宣言しました。

「性格を直してほしい段階ではなく、離婚するなと言うのは自分に死ねというくらい妻が嫌いで、限界を超えた」そうで、本人にそれは言えないから、ダンマリになるのだそうです。

一方夢子さんは、「何が不満なのかわからない。私たちは仲がよかった」と、取り乱すばかりでした。夢子さんも夢子さんです。「言葉になかったから気づかなかった」では済まない話です。

夫婦間のこじれた心の問題は、マニュアルどおりには解決しないものです。夫婦間のトラブル解決法は、最後は当事者にしかわからない事情や相手の微妙な心の動きを読む感性が必要です。そして、自力で問題を解決する努力も欠かせません。

人事を尽くして天命を待つ

子どものために解決したいと言っておられるのも、子どもを盾にして、自分はどっちでもよいと言っているようで、無責任に聞こえます。

子どもさんも、メンタルクリニックに通わせる前に、まずあなたがしっかり子どもを抱きしめて安心を与え、子どもを道連れにして動揺しないことが先決です。そして、「少なくとも父親と別に暮らすことになろうとも、父子関係に変わりはない」ことを伝えるほうが、先決に思えます。

つぼみさんにできることですが、夫婦でも立ち入ってはいけない領域があることを学び、それも努力することを伝えるべきです。最初は返事を期待せず誠意を見せ続けるのです。

繰り返しますが、夫君のほうが正しいとは決して申しておりません。ただ夫君が感じておられる「平行線」は、あなたの想像以上であることを認識して、言葉を選んでください。

プライバシーを侵害されたこと、また誤解で大騒ぎされたことへの嫌悪感、そして空気を読まないので話しても無駄、と絶望されていることに、対処しなければならないのです。

夫君が抱く本質的問題意識への理解と反省を示し、成熟した態度で誠実なコミュニケーションを図るという人事を尽くし、あとは天命を待つしかありません。

ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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