部下の支持を得られない上司の残念な接し方 話を「聞く」のではなく「訊く」姿勢がキモだ

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部下が話してくれたことに対し、上司のあなたが気をつけるべきことはただひとつ。「あなたの話は大変面白い、もっと聞きたい」という気持ちをもつことだ。

「へえ!」「ほう!」「それはつらかったね」「よくそこでくじけなかったね」「大変だったね」

相手に共感を示しつつ、相手の話に関心を示す。

「学生時代はどんなことをやっていたの?」

体育会系の部活だったり、文化系サークルだったり、帰宅部だったり。そんな答えが返ってくるかもしれない。途中で部活を辞めたとか、最初から帰宅部だったという、アクティブなあなたから見るとどちらかというとマイナスイメージな話が出てくるかもしれない。

そんな時にもネガティブに反応せず、「そうか、部活をやっていても、いろんなことがあるからなあ」と、理解を示す言葉をかける。すると、「この人にはもう少し打ち明けても大丈夫かも」と感じてくれる。

「実はこんなことがあって」

そんな打ち明け話をしてくれたら真剣に聞き、「そうか、大変だったな」「よく頑張ったんだね」と前向きに評価すると、「この人はわかってくれる」と感じてもらえる。

聞く姿勢で得られる2つの効果

なんでも興味をもって、「へえ!」「そうなんだ!」「大変だったね」「なんでそうしようと思えたの?」など、感嘆や質問の形式の相づちを用いて、聞く姿勢を続けてみる。そうすると、2つの効果が表れる。

1つ目は、「この人はこんなにも自分に興味をもってくれている」「上司に受容された」「受け入れられた」という安心感を部下がもつことができる。もう1つは、自由な発想をしても構わないのだ、ということが、言わずもがなに伝わるということだ。

そうすると、今度は逆に上司の話を聞いてみたくなる。話をちょっとしただけでも、ずいぶん熱心に聞いてもらえる。人間は不思議なもので、自分の話をよく聞いてくれる人の話は聞きたくなるものらしい。「訊く」姿勢になるべく徹し、相手に興味津々だという姿勢を示せると、ラポールの形成は大概うまくいく。

逆にいえば、ちゃんと部下の話を聞いてラポールを築いてからでないと、上司の情熱的な語りかけもすべて水泡に帰す。話を熱心に聞けば聞くほど、あなたは自然と尊敬される。相手の話に共感を示すということは、相手にとってあなたは、「なんと理解力のある人間なのか!?」と驚かれる効果があるからだ。

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