部下の支持を得られない上司の残念な接し方 話を「聞く」のではなく「訊く」姿勢がキモだ

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しばらくすると部下が目に見えて疲れだした。熱血指導にもなんだか気のない返事が増え、今日も残業だと聞くと、口には出さないけれど「えー、またぁ?」といった顔をするようになった。熱血指導する立場のAさんとしては、この態度に不満。自分と比べれば、まだまだ部下の仕事量は微々たるもの。それで疲れるとは、情けない。自分にはこんなに親切に教えてくれる先輩もいなかったのに、不服に思うとはなんと生意気な。

「おいおい、まだ仕事を始めたばかりだぞ。そんなことでどうする!」(Aさん)とハッパをかけようとしたら「はい……」と気のない返事。これまた不満。不満に思っていることが部下にも伝わって、さらに部下はやる気を失う。それを見てさらに不満を募らせるAさん。感情のすれ違いが重なって、なんだかどんどん険悪な雰囲気に……。

ラポールを築く方法

上司は自分が話すより、部下の話を聞くことが大切だ。一方的に話すと、部下の本音がどこにあるのか、さっぱり見えてこない。それでいて、思いどおりに動かない部下にだんだん腹が立ってくる。これでは「ラポール(相互信頼)」は形成できない。ラポールは、話すよりも「訊(き)く」とうまくいく。

・改善例

部下をもてる立場になって、やや興奮気味。部下に「自分と一緒に頑張ろう!」と熱い思いを聞いてもらいたいのが正直なところ。しかし、そこをグッとこらえて部下のことをまずは理解しよう。ラポールを築くのだ。もしもあなたの話を部下が聞いてくれていない、心に響いていないかもしれないと感じたら、それは部下とのラポールを築けていないからという可能性も考えたほうがいい。

ではどうしたらよいのか? 部下の話を「訊く」ことだ。「聞く」とせずに「訊く」と書いたのにはわけがある。部下に「さあ話せ、話を聞いてやるから」と言ったって、話すものではない。下手に話すと上司の逆鱗(げきりん)に触れかねない。何が上司の好みかわからないうちは、下手に話ができないからだ。

「訊く」というのは、「質問〔訊(たず)ねる〕しながら話を聞く」ということだ。

「学生時代は何をしてたの?」「どういうことが好きなの?」「へえ、その時どう思ったの?」「君の話を聞きながら思い出したことがあるんだけど、こんな話があるんだ。君はこれについてどう思う?」「どうしてそうなったんだろう?」「他に気がついたことがある?」

よく5W1Hとか、オープンクエスチョンとかいわれる質問の形式だ。Yes / Noで答える形式とは違い、いろんな答え方が可能なので、話題をどんどん膨らませやすい。

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