勉強がつらい子に教えたい「要点を見る」習慣 親でも意外とわかっていない

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では、本論に入る前に、ご自身に次のような質問を投げかけてみてください。

「なぜ、うちの子は勉強しないのでしょう?」

さまざまな理由があるでしょう。多くの親御さんの場合、次のような答えが返ってきます。

 ①「小学校のときに勉強が嫌いになったから」
 ②「学校の先生とうまくいかないから」
 ③「親である私の対応が間違っていたから」
 ④「テレビやゲームばかりやっているから」

では、次の質問です。「では、どうしたらいいでしょうか?」すると、大方、次のような答えが返ってきます。

 ①もうどうすることもできないので、塾にでも入れる
 ②学校に文句を言うか、あきらめる
 ③がみがみ言わない
 ④テレビやゲームをやめさせる

これらが“対策”として実行されます。しかし、これらは、いずれも何の解決にもならないのですね。傷に “バンドエイド”でも貼って処置するように、表面的な現象に蓋をしているだけですから、解決しないどころか、別の問題すら発生します。物事の根本原因に行き当たらないと、永遠に今の問題を繰り返すことになります。では、どうしたらよいでしょうか。

それは、「扇の要(かなめ)を見る」習慣を作ってしまうことです。

何事も「要」でまとまっている

1本1本の骨の根元に、扇の要があります(写真:セーラム / PIXTA)

日常で起こる出来事は、基本的には目に見える出来事で、表面に表れている現象ばかりですね。子どもが勉強しないということもそのひとつです。これは扇でいえば、1本1本の骨がそれらの現象を指しています。しかし、多くの現象はたった1つの「要」という1点でまとめられており、その1点を押さえなければ何も解決しないのです。

扇の要を見つけること。これがわかれば、問題は多くの場合、解消に向かっていきます。得てして、「問題はその問題自体にあるのではなく、その問題が起こっている背景や原因にある」のですが、つい表面的に見えている現象そのものであると勘違いを起こして、事態を悪化させる場合が多いのです。

私はこれまでの記事でも書いてきましたが、子どもの能力を引き上げるためには、マジックワードとして「なぜ?」を繰り返すことが大切です。

「なぜ?」の視点があると「要」を見つける方向へ進んでいきますが、ここで問題が発生します。それは、「なぜ?」といいながら、「なぜ」になっていないか、1回しか「なぜ?」と考えていないために、実態としては解決の方向である「要」へと進んでいかないということがあります。「なぜうちの子は勉強をしないのか?→ ゲームばかりやるから」などがその典型です。

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