勉強がつらい子に教えたい「要点を見る」習慣 親でも意外とわかっていない

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「なぜ?」を繰り返していくと、「要」にだんだん近づきますが、そうすると「勉強自体に面白味を感じない」「勉強自体に意味を感じない」「勉強を自分のためであると感じていない」などが出てきます。このあたりが原因の根本ですから、それを認識せずに、「勉強しない→なんとかやらせる」と単純に考えて対応すると、作用反作用の法則が働くことになります。

つまり、強制して「やらせる」という作用に対して子どもは「拒絶する」という反作用で対応します。そしてさらにその強制を強化すると、喧嘩になるか、放置するか、という対応がその後に待っています。要するに、悪化するのです。

勉強ということは現実的にどういう意味があるのか、今の自分とどうつながっているか、あるいは知識や学びは楽しいということ、そうした部分が見えないと勉強を前向きにするようには絶対になりません。そして、それが認識できたら、次は勉強方法を知らなくてはなりません。勉強の意味もわからず、勉強の方法も知らないでは、前に進むことは絶対にあり得ないのです。

そのためには、勉強のすべてを塾任せというのではなく、勉強の意味や考えというものに対しては、親御さん自身も学んで協力する必要があるでしょう。学校や塾では実際に効率的で成果の上がる勉強の仕方を学びますが、勉強そのものの意味や考え方といったある意味哲学的な部分は、家庭で学ぶのです。塾へ入れれば、何とか目先の受験に通用するような学力をつけてくれるかもしれませんが、勉強の意味がわからず、塾という他人が作った枠の中で受け身で動くだけでは、塾がなくなればすぐに元に戻ってしまう可能性もあります。

「根本原因」を日頃から考える癖をつけよう

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そこで、山田さんの場合ですが、まずは、何事も「根本原因は何か?」と考える癖 をつけることから始めるといいでしょう。その際、いきなりお子さんに「勉強ができない原因は何?」と聞くのはさすがに直接的すぎて嫌がられる可能性があります。そこで、勉強以外の日常的なテーマで、扇の要にあたる「根本原因は何だろう?」とお子さんと一緒に考えるようにします。

例えば、テレビで事件や事故のニュースや友達とのトラブルなどマイナス的な出来事の原因などを話し合うことなど日常生活には非常にたくさんの題材が散らばっています。さらにネガティブな原因追求だけでなく、プラスの出来事の原因を探ることも有効です。例えば、部活動をやっていれば、試合で勝った原因を追求するなどもいいですね。

ここでは「勉強以外のテーマ」で「お子さんと一緒に考える」という2つが重要なキーワードです。これをさりげなく日々繰り返していくと、その延長で勉強に関しても、さらには勉強内容そのものに対しても、同様に考えることができるようになるきっかけとなるでしょう。

すこし時間はかかるかもしれませんが、急がば回れで、真因にたどりつくためには必要な過程です。これを機会に、是非、扇の「要(かなめ)」を見つける習慣を身につけてみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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