「いきなり!ステーキ」は弁当も非常識だった 肉の柔らかさ、ソースを忠実に再現

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「これまでのコラボでは、何となくお互い“歩み寄り”の雰囲気があったのですが、いきステさんではやはり看板商品ということもあり、最後まで妥協はありませんでした。試作品を持って行くたびにダメ出しされ、ライオンが子どもを崖から突き落とすようでした(笑)。最後に一瀬社長からOKが出たときは、入社以来初めてと言っていいぐらい、うれしかったですね」(加治氏)

加治氏は「他社とのコラボは、新しい知識やアイデアが得られる意味でもメリットがある」ととらえている。今回の取り組みも、当然、今後のミニストップ全体の商品力アップにつながるだろう。

ミニストップは店内に厨房とイートインスペースを持つこともあり、コンビニの中でもイートインが強みだが、実は弁当にもこだわり商品が多い。最近では客層の拡大が課題となっており、女性や高齢者を意識した商品の開発にも力を入れている。ソースのバリエーションが豊富な「選べるオムライス」、サラダやスイーツなどをもう1品買い合わせられるよう、価格を低めに設定した商品などだ。

「女性はヘルシー志向、野菜多めという感覚でいましたが、今回のステーキやハンバーグは女性もけっこう手に取っている。客層を広げるうえで、女性のイメージを見直す必要もありそうです(笑)」(加治氏)

「チルド弁当」の需要が高まっている

ミニストップ第一商品本部 米飯・デリカ商品開発部 加治伸之氏(筆者撮影)

また特に可能性が高まっているのが、10度帯の「チルド弁当」だ。常温帯の弁当に比べ、野菜、卵、乳製品などを加えられるほか、電子レンジで温めることを前提としているので、今回の「いきステハンバーグ」のように、温めによるひと手間で、レストランの味に近づけることができるのだという。

「最近では、頻繁に買い物に行けない高齢者の方などが、1日冷蔵庫に保存してから温めて食べるパターンも多くなっています。そうした需要を含めて、どこのコンビニでもチルド帯の商品に力を入れています」(加治氏)

このように、今後もこだわりの商品が期待できるミニストップ。しかしせっかく食べたいと思う商品が発売されても、店舗がなければ買えない。店舗展開の話はまた別になるのだろうが、「もっとたくさんあればなあ」というのが消費者の正直な思いだろう。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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