「いきなり!ステーキ」は弁当も非常識だった 肉の柔らかさ、ソースを忠実に再現
「社外の人と話すと必ず再編の話が出ますが、実はちょっと悔しい気持ちもあります。商品企画担当としては、より気を引き締めて、商品の品質を高めていきたいと思うばかりです」(ミニストップ第一商品本部米飯・デリカ商品開発部・加治伸之氏)
加治氏が「悔しい」というのは、ミニストップは国内2241店舗(11月末時点)ということもあり、店舗数1万8000店超のローソンとの統合がささやかれるためだろう。
では、そもそも今回の企画は、どのようなきっかけでスタートしたのだろうか。
「ミニストップは、やはりまだまだ男性客がメイン。がっつりした弁当がよく出ます。特に年末は肉が売れるので、個人的に面白いなと思っていた“いきなり!ステーキ”さんとのコラボを企画しました」(加治氏)
実はミニストップは、これまでにもさまざまなブランドとのコラボレーションを行ってきている。最近では、ラーメンチェーンの「らあめん花月嵐」監修商品が2016年内に2回発売されているほか、2016年3月に発売されたスープカレーの老舗「マジックスパイス」監修商品は大ヒットを記録した。
「よく知られていて固定ファンが多いブランドとのコラボを、年に2~3回ほど行っています。店舗が近くにないのでなかなか行けないというお客様にとってはサービスにもなりますし、付加価値が高い商品なので、いつもは買わないお客様が“買ってみようかな”と思ってくださることが多い。もちろん、売り上げもその分、上がります」(加治氏)
年末年始はコンビニ弁当が「売れる」
コラボ商品を発売するキャンペーンの時期は、商品の内容によって違う。たとえばカレーなら夏場に、ラーメンなら冬場に行うといった具合だ。しかし、中でも年末年始はコンビニ業界では特別な時期で、ミニストップの場合は弁当の販売数が10~15%ほどアップする。そのため、この時期に値引きキャンペーンを行ったり、コラボ商品を発売することが多いそうだ。
弁当が売れる理由にはいろいろ考えられるが、単純に、仕事や大掃除などで忙しく、弁当で済ませる人が増えるということもあるだろうし、いわゆる“おせちに飽きたら”のパターンで、正月料理ではないものの需要が伸びることもあるだろう。普段はコンビニを利用しない人が立ち寄るので、コンビニにとっては新規客を拡大するチャンスでもあるという。
さらに今回発売されたステーキやハンバーグのような“ごちそう感”のある商品は、ハレの時期であるクリスマスから年末、年始にかけて多くの顧客を引きつけることになる。値段も、それぞれ通常の商品より50~200円ほどアップしているから、売り上げも上がる。
今回はミニストップ側から持ちかけた形だったが、いきステを経営するペッパーフードサービス側でも、“渡りに船”の話だった。
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