「いきなり!ステーキ」は弁当も非常識だった 肉の柔らかさ、ソースを忠実に再現

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2013年のスタート以来、「立ち食いステーキ」というユニークな、ある意味では客層を選ぶイメージで訴求してきたが、100店舗を超えたところから、老若男女問わない、広い客層に向けたブランドへと戦略転換しているからだ。

TBSのテレビ番組「王様のブランチ」とコラボした期間限定店舗のほか、映画やダイエットジムなど、さまざまな企業とのタイアップ企画を幅広く展開しており、今も複数のタイアップ案件を抱えているという。ただ、食品にからむ企業とのコラボは今回が初めてだ。

「過去にペッパーランチを冠する弁当を販売したことはありますが、今回のように大々的にコラボという形をとったのは当社としては初めてです。また、いきなり!ステーキとしては純粋の初販売です。最初、イートインとしての商品を導入していただければと想定していましたが、弁当として5種類も1度に販売とは想定外で、“すごい”と感じました」(ペッパーフードサービス営業企画本部長の川野秀樹氏)

いきステとのコラボは「初めて」だらけの挑戦

ビーフペッパー焼肉160円(写真:ミニストップ提供)

ミニストップ側でも、弁当の企画チームとハンバーガー、おにぎり、パスタといった商品の企画チームを合わせた横断的コラボはなかなかなく、今年初となる。そして、それ以外にも、いきステとの企画は“初めて”だらけの挑戦となった。

「これまでのコラボでは、最終ジャッジをする人と最初からお話をできたのですが、今回は、社長が最終チェックをするとのことで、これが最後まで立ちはだかる大きな壁でした」(加治氏)

企画を始めるにあたってまず、川野氏から「ウチは社長の最終チェックでダメと言われれば、すべて白紙になる可能性もあります。それでもやりますか」と話があったとのことだ。しかし加治氏としてはぜひ進めたかった企画。「ダメという選択肢はない」と腹を決めて突っ走った。

最初の難関は、ソースの味を再現することだった。目の前で300グラムの肉を焼き、熱い鉄板の上に盛りつけて立ったままで食べる「いきなり!ステーキ」は、肉本来の味もさることながら、湯気とともに立ち上る香り、ボリューム感のある見た目、その場の雰囲気も、味のうちに含まれる。弁当という限られた範囲内だが、できるかぎりそれらを表現する必要があった。

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