「いきなり!ステーキ」は弁当も非常識だった 肉の柔らかさ、ソースを忠実に再現

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「ソースは、いきなり!ステーキさんにお願いしてレシピをストレートに教えてもらったのですが、そのまま調理するとまったく違うものになってしまいました。鉄板の上で熱するのと、電子レンジにかけるのとでは、ソースを構成する素材の物性が変わってしまうということです。どうしてもしょっぱくなってしまいがちなところを、ガーリック味や香ばしい味を加えることで、何とか再現できるまでになりました」(加治氏)

肉の食感にも苦労した。いきステ側に率直に聞き、同等のランクの肉を用意したが、どうしても肉のやわらかさが再現できなかったのだ。

「最初は硬く、軟らかくしようとしたらぐにゃぐにゃしてまずくなってしまいました」(加治氏)

肉が硬くなる課題は、「冷やす工程」を見直すことでクリアしたという。弁当や総菜類は雑菌の繁殖を防ぐため、出来上がったところで冷却する過程を挟む。ミニストップでは従来、庫内の気圧を下げることによって瞬間的に冷却していたが、この瞬間的な冷却が肉を硬くしてしまうことがわかった。そこで、時間はかかるものの、冷蔵庫で冷やすという手順に変更。これにより、軟らかく肉の味もしっかりした「いきステ」のステーキを再現することに成功した。

「いきなりステーキで感じる香り、味や、炭焼き、鉄皿の雰囲気まで感じられ、かつおいしい。肉の質にも苦労されたようですが、よくやって頂けたと思います」(川野氏)と、いきステの川野氏も太鼓判を押すできばえだ。

目指したのは肉汁が湧き出るジューシーさ

「ワイルドビーフハンバーグステーキ」598円(写真:ミニストップ提供)

ハンバーグにも、ミニストップならではの工夫が加えられている。目指したのは、ナイフを入れたときに内側から肉汁が湧き出るようなジューシーさだ。

「内側と外側でひき肉のひき方を変えて2重構造にし、割ると中がジューシー、という感じを表現しました。レンジで温めることにより、外側の脂肪分が溶け、ハンバーグが肉汁に包まれます」(加治氏)

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