新卒採用の”売り手市場”が続いている。リクルートワークス研究所が発表する大卒求人倍率調査(民間企業の求人数÷民間企業の就職希望者数で算出)は、2011年卒生から2014年卒生までは1.2倍台だったが、2015年卒から急上昇し、2016年卒では1.73倍、2017年卒では1.74と高水準が続いている。企業にとって採りづらい受難の時代、学生にとっては就職しやすい好環境だ。そこでHR総研が11月に実施した2017年新卒採用最新動向調査から実際の状況を探ってみたい。
3割の企業がなお採用継続中
企業は採用に苦戦している。採用活動解禁日(今年6月1日)から半年経った11月末時点でも、全体の29%が2017年卒の新卒採用を継続している。この種の調査としては珍しく、企業規模や業種の違いはほとんど出ていない。
企業の活動開始が遅かったわけではない。解禁日以前から活動している企業がほとんどで、昨年から採用活動をスタートさせた企業もかなり多い。この数年の採用活動で重要性が急速に高まったインターンシップも、4割強の企業が実施していた。このように見ていくと個々の取り組みに漏れがあったようには見えない。しかし、約3割の企業は年末が近づいても成果に満足できず、採用活動を続けているのが現実だ。
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