丸の内戦争で、パレスホテルが浮上したワケ 決死の大改装で、”ホテル族”を魅了?

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ひとつ面白い現象があります。日本人のゲストの半分は、都内近郊にお住まいの方なんですよ。

都内に住んでいて、ご自宅も近いのに、宿泊していかれるんです。特に週末。ご家族だったり、カップルだったり、女性同士だったり。おひとりで泊まられる方は、月に1回ぐらいリピーターで来られたり。

――それは、ホテルに泊まること自体が趣味、レジャーということですか。

そうだと思います。おそらく非日常性を求めて、ちょっとリゾートに、たとえば箱根に行って温泉に浸かるような感覚で、ホテルを利用されているんだと思います。

そういう方はうちだけではなく、翌月はペニンシュラに泊まったり、生活習慣の中にホテルライフが根付いてきているんだなと思いますね。

シニア女性の力強い消費欲

――ホテル族とでも言うんでしょうか。そうしたお客さんをとらえるという点では、改装の狙いはドンピシャですね。

渡部勝総支配人

そうですね。面白いのは、お客様の層が若い世代にシフトしたんですが、シニアの女性にも元気な方が大変多くて。一昨日も91歳の女性の方から電話かかってきたのですが、同世代の6人グループでゴルフ仲間だと言うんです。

その方たちが月に1回、鉄板焼きでまずステーキを食べて、その後、ラウンジでアフタヌーンティーのお茶をして、といった形で4~5時間過ごされる。そして夜、今度はお寿司屋さんとか和食で夕飯を食べて、11時ぐらいにお帰りになるんです。

みなさん未亡人でいらっしゃるんです。おそらく旦那様は企業のトップだったような方たちでしょうが、亡くなられてしまって、でも、自分は元気もおカネもある。

やはり日本の女性は強いなと感じます。だから、改装後、女性をターゲットにしたのもひとつの成功かなと思っているのです。これからの日本の消費を牽引していく原動力なんだと、つくづく感じますね。

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