ゴーンの懐刀が挑む、マリノス改革の全貌 横浜F・マリノス、嘉悦朗社長に聞く(上)

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――パーチェス・ファネルをマリノスに当てはめると、どうなるんでしょうか?

Jリーグはニュースでも取り上げられるので、マリノスという名前は多くの人が耳にしたことがあると思うんです。ただし、どんなクラブかを理解していただかないと、強いか弱いかだけで判断されてしまう。弱いからスタジアムへ行かない……となってしまう。そうではなく、よく知ってもらって、好きになってもらう。チケットを買う気になってもらい、実際に競技場へ来てもらう。そして、スタジアムの雰囲気がすごくよかったからもう1回行こう!となる。

このプロセスは自動車業界とまったく同じなんです。マリノスでは、このパーチェス・ファネルを3つのブロックに分けて、それぞれにプロジェクトチームを作りました。

3つのCFTから出た55個のアイディア

――3つのプロジェクトを、それぞれ説明してくれますか?

まずは認知・理解・好意を上げるプロジェクト。通常はホームタウン活動と呼ばれているものです。2番目に好意を持ってもらった人たちにスタジアムへ来てもらうプロジェクト。プロモーションですね。そして最後に来たお客様がもう1度来たいと思わせるプロジェクト。もてなしです。この3つのチームをCFTの1番から3番という形でスタートさせました。

――たとえば1番目のCFTであれば、通常のホームタウン活動とどういう点が違うのですか?

商店街に出向いたり、学校訪問をしたりという点は通常のホームタウン活動と同じです。だけど、今までと同じような枠組みで考えていたら、なかなかマリノスの認知は広がらないし、深まらない。部署を超えて経理の人が入ったり、スクール事業の人が入ったり、あるいはチケットを売っている人の意見が入ったら、違った視点のアイデアが出てきます。

また、3番目のCFTは「ホスピタリティ向上課」って呼んでいるんですが、今までのマリノスにはあまりなかった視点なんですね。1カ月半かけて3つのCFTにアイデアを出してもらい、最終的には55個のアイデアが出ました。

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