クルマは日本を救えるか 日本経済の牽引役に期待がかかる

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(Getty Images)

日銀による「異次元緩和」の下、円相場は一気に1ドル=100円を試すところまできた。昨年秋まで超円高に苦しめられてきた日本の自動車メーカーの業績が、一段と上向くとの期待が強まっている。

 前2013年3月期の業績は、盟主・トヨタ自動車が連結営業利益1兆円の大台を回復したほか、各社とも大幅な増益になったもようだ。

今14年3月期もさらに業績拡大が続きそうだ。円安がさらに進めば、今期に過去最高益を更新する企業が増えることが予想される。

トヨタの場合、対ドルで1円円安になると350億円の営業増益となる。前期の為替レートは期中平均で1ドル=83円。仮に今期が100円程度で推移するとすれば、為替効果だけで6000億円にも達する。

日系自動車会社トップはかねがね「適正水準は1ドル=100円台」と口をそろえて強調してきており、それが実現すれば大きな「くびき」が外されることになる。

主要自動車メーカーの株価はすでにリーマンショック直前の水準を上回り、株式市場は最高益更新を織り込み始めたといえる。だが、目下の業績回復が為替の反転に依存しただけのものなら、00年代前半の「円安バブル」の轍を踏むことになりかねない。

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