シェール革命という高貴なウソを信じる日本

インテリジェンスのプロ、原田武夫氏が大胆分析

頁岩(シェール)層から採掘されるガスやオイル。エネルギーの秩序は、今後どうなるのか(JOGMEC提供)

先日、杜の都・仙台に出張したときの話だ。繁華街・国分町の片隅で設けた会食に出席された地元財界幹部の一人の方が、上気した面持ちで私に向かってこう語りかけてきた。

「原田さん、『シェール革命』ってやつはすごいね。何せこれからアメリカでは無尽蔵に採掘できて、しかも温暖化効果ガスの排出量が圧倒的に少ないっていうのだから、エネルギーの未来は、もうこれで決まりなのではないですか」

シェール革命に納得できず

同席していたわが国アカデミズムの重鎮の一人も、続いて口を開いた。「確かにそうですね。仮にアメリカがシェール革命を推し進めるとなると、今、東北大学を中心に取り組んでいる地域経済活性化のための次世代移動体研究プロジェクトがこのままでは失速してしまう危険性があるのです。なぜならばその柱のひとつである電気自動車(EV)は、現状では原子力発電が安定的に継続することを前提としていますから」

私からすれば、いずれも人生の大先輩である。普段ならば黙ってうなずくだけで、特に何も申し上げなかったはずだ。しかしこのときだけは違った。どうにもこうにも納得するわけにはいかなかったからである。「申し訳ありませんが、『シェール革命』は本当に起きるのでしょうか。私は正直言ってかなり懐疑的です」。居住まいを正して私はそう切り返した。

次ページ筆者はなぜ、シェール革命に異を唱えるのか
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • グローバルアイ
  • 最新の週刊東洋経済
  • 不安な時代、不機嫌な人々
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT