トヨタ自動車が12.3兆円から16.7兆円に拡大し首位を独走。一方、昨年3月末に2位だったNTTドコモは携帯市場での独り負けもあり株価が伸び悩み、4位に後退。
メガバンクとメーカーの復調、ネット関連の後退が象徴的だった2013年3月末の時価総額ランキング。そのトップ300を主要な株価指標とともに見てみよう。
時価総額は、株価×発行済株数で計算するもので、企業価値を表す重要指標だ。この額が大きければ、現金を使わずに株式交換で他の企業を買収することも可能になる。
市場の評価である株価が高くなり時価総額が膨らめば、売り上げや利益で上回る企業を買収することも可能になる。ソフトバンクなど時価総額の大きいIT企業を中心に、他社をM&Aする際、その時価総額の大きさを活用する動きも目立つ。
12年度に時価総額も大きく改善
2012年度(12年4月~13年3月)は企業の時価総額も、株価の上昇に伴って大きく改善した。
日経平均株価は12年3月末の1万0083円から、13年3月29日には1万2397円まで回復した。これを受けて、東証1部上場企業全体の時価総額は、12年3月末の293兆7413億円(1673社合計)から、同9月末にはいったん256兆0597億円(1673社合計)に落ち込んだものの、この3月末には359兆7664億円(1709社合計)へと急回復している。
こうした中、主力企業の株価はどう変わったか。
時価総額上位4社で見ると、トヨタ自動車と三菱UFJフィナンシャルグループでは株価が3割を超す上昇を見せた一方、NTTドコモは3%程度の上昇にとどまった。この結果、ドコモの時価総額は12年3月末の2位から、13年3月末には4位に後退した。また、業績を見れば、自動車メーカーの純益の回復度合いが顕著だが、ホンダの株価上昇率は10.1%に過ぎず、物足りないほどだ。
なお、記事中やランキング表の中で「今期」としたのは、4月2日時点で決算発表を終えていない決算期を指し、3月期の場合は原則13年3月期が今期。「来期」は14年3月期とした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら